米国コロラド州デンバーで先ごろ開催されたTeradataの年次プライベートイベント「Teradata Universe」。ゼネラルセッションの様子や新しく発表された製品・サービスについては既報の通りだが、会期中にはハンズオンやワークショップといった実践的なトレーニングセッションも数多く行われた。
「Data Science Experience」と呼ばれるセッションはそのうちの1つで、実際のユースケースをシナリオに用いてビジネス成果を生み出すための分析テクニックを学習する体験型のワークショップになる。世界各地で開催しており、データ分析基盤「Teradata Vantage」とSQL、R、Pythonなどの言語を使って、データサイエンスの概念や機械学習技術の活用テクニックを身に付けていくものになる。
Teradata Universe 2019で開催されたData Science Experienceの様子
日本でも7月に同様のセミナーが開催されている。このときは、ビジネス視点でのデータ分析をテーマにしたものだったが、今回はエンジニア向けにサンプルコードなどを参照しながら、データ構造や分析関数などを習熟していった。
今回のワークショップでは、あるアパレル小売業を題材に、顧客の会員解約を防ぐための施策を検討するというシナリオで、顧客行動の経路分析や感情抽出などの機械学習アルゴリズムを使いながら、データ分析の流れを実践していく。
トレーナーを務めたTeradata テクニカルプロダクトマーケティングマネージャーの渡利洋子氏は、「製品概要や分析手法を理解するだけでなく、実際に使ってみてどういう結果が出てくるのか、その結果をビジネスにつなげるにどうすればいいのかを体験しながら、ときには参加者同士でディスカッションなども交えて進んでいく。受動的な講座ではなく、能動的に参加できる場となっている」とその特徴を説明する。
Teradata テクニカルプロダクトマーケティングマネージャーの渡利洋子氏
ワークショップでは、使用言語(SQL、R、Python)によってコースが分かれており、それぞれの実装方法を学べるようになっている。以前から展開しているSQLコースに加え、市場のニーズに応えてRとPythonのコースも最近になって追加されたという。SQLコースでは、データベース管理者(DBA)の参加率が高く、“データ管理”だけでなく“データ活用”にもスキルを広げていきたいという声が多いと渡利氏は話す。
「データの操作方法や管理方法は熟知しているが、アナリティクスやデータサイエンスの領域は苦手というエンジニアも多い。そういう人々に対して、実践的なトレーニングを提供していきたいと考えている」(同氏)
ワークショップで使用するVantageについて、渡利氏は「製品を知ってもらうためには、単にデモンストレーションやプレゼンテーションをするだけでは伝わりにくい部分があった」と振り返り、実際に使ってもらいながらその良さを伝えようと「Data Science Experience」という体験型のワークショップを始めたという。
今後、日本でもこの取り組みを拡充させる計画で、エンジニア向けの講座や米国から講師を呼んで最新のケーススタディーを学ぶ場などを提供するほか、日本人講師によるワークショップも展開していく予定。
(取材協力:日本テラデータ)