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「Python」の生みの親ヴァンロッサム氏が正式に引退、「素晴らしい経験だった」

Liam Tung (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2019-11-01 10:10

 高い人気を誇るプログラミング言語「Python」の生みの親であるGuido van Rossum氏が、クラウドファイルストレージのDropboxを離れ、引退することを明らかにした。

Guido van Rossum氏
提供:Dropbox

 van Rossum氏は、Dropbox機能の大半がPythonで書かれているため、2013年に同社に迎え入れられたが、6年半を経て退職することになる。2018年にPythonの意思決定プロセスを指揮する立場から退いていたため、正式な引退となる。

 Dropboxがvan Rossum氏を起用したのは、理にかなっていた。Dropboxには約400万行におよぶPythonコードがあるほか、バックエンドサービスとデスクトップアプリでも最も使用されているからだ。

 Dropboxによれば、2011年にvan Rossum氏が初めてDropboxの最高経営責任者(CEO)のDrew Houston氏と会った時、Dropboxのサーバーとデスクトップクライアントは「ほぼすべてがPythonで」書かれていた。

 Dropboxは現在、「Go」「TypeScript」「Rust」のほか、DropboxがPythonコードを大規模に管理できるように開発したオープソースの静的型チェッカー「mypy」を使用している。mypyは、別の開発者によって書かれた分かりにくいコードを、ほかの開発者も理解できるようにする。

 Pythonが誕生して30年近くになるが、プログラミング言語ランキングでは、世界中で最も広く利用されている言語の1つとして上位に入っている。「Instagram」といった世界最大のアプリのいくつかも、Pythonによって開発されている。

 Dropboxは、van Rossum氏が同社のエンジニアリング文化にも大きな影響を与えたと述べている。

 「非常に優秀で、非常に若い少数のエンジニアが、気の利いたコードを大量に書いていたが、本人しか理解できない難解なものになっていた。それは小規模なスタートアップの間は、うまくいくアプローチだ」(van Rossum氏)

 しかし、Dropboxが指摘するように、会社の成長に伴い後から入社したエンジニアは、「短くて暗号のような」賢いコードを理解するのに苦労した。

 van Rossum氏は、これを「カウボーイコーディング文化」と呼び、保守可能なコードの重要性を説いた。

 同氏は、「人に尋ねられたならば、賢いコードよりも、保守可能なコードの方が重要であるというのが私の見解だ」と述べている。

 「とりわけ難解な賢いコードがあり、その保守を私がする場合、おそらく書き換えるだろう。そのため社内でお手本を示し、ほかの人々にも積極的に働きかけた」(同氏)

 Dropboxは、van Rossum氏が同社のテストプロセスを改善する上でも貢献したと述べている。継続的インテグレーションではテストを繰り返し行う必要があるが、エンジニアがテストに失敗した原因を理解できるように手助けした。

 その後は、Jukka Lehtosalo氏が開発した静的型チェッカーのmypyに取り組み始めた。DropboxにLehtosalo氏を誘い、2015年にmypyチームを立ち上げ、Dropboxが抱える膨大なPythonコードのチェックと改善を行った。

 van Rossum氏は、「私のちょっとしたハックが、実に多くの人々の人生に影響を与えるのを見ることができたのは、素晴らしい経験だった」と語っている。

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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