デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は、フィンテックアセットマネジメント(FAM)、クニエと共同でセキュリティトークンを用いた不動産証券化の実証実験を開始した。オブザーバーとして、日本セキュリティトークン協会(JSTA)が参加する。
今回の実証では、トークン発行体と顧客がセキュアに取引可能なシステムを構築し、セキュリティトークンの可能性を検証していく。併せて、新たな資金調達手法としてのセキュリティトークンのビジネス面の有用性についても検証していく。
セキュリティトークンを用いた取引であるセキュリティトークンオファリング(STO)は透明性、即時性を有しグローバルでの取引の活性化や流動性の向上が見込まれるなどメリットが多い。資金調達が困難だった地方部での地域活性化の取り組みや中小企業における成長産業への転換投資をサポートするなど、社会課題解決に有用な資金調達手段としても期待されている。
セキュリティトークン市場は既に海外、主に北米を中心に拡大を続けており、日本では、2019年5月に「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」が成立した。これによりセキュリティトークンが金融商品取引法下の「証券」であると定義され、従来の金融および投資の形態と同じ金融商品として取り扱われるようになった。
今回の実証では、広く投資家にも購入される国内のセキュリティトークン市場形成の可能性も含めて、日本国内におけるSTOマーケットの成長機会を見通す意味もあるという。