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「経営戦略に遅れている」双日から見える人事部門に不足しているもの - (page 2)

阿久津良和

2019-11-13 06:45

 タレントマネジメントシステムの導入状況を確認すると、24.3%が導入済みだが、「新規導入を検討中(26.3%)」「予定なし(30.3%)」「分からない(19%)」と約半分の企業が消極的なことがあらわになった。タレントマネジメントシステムの導入目的を尋ねると「従業員の人事データ一元化(26.3%)」「人事データの蓄積による活用検討(13.2%)」といった解答が並ぶ。

 タレントマネジメントシステムの情報活用については「適所適材の異動計画(13.7%)」「次世代リーダーの早期育成計画(12.3%)」「採用時の優秀な人材の予測(9.6%)」に多くの解答が集まるものの、2位と3位を含めた全体で見ると「昇進・昇格時のアセスメント資料」に活用するケースが多かった。興味深いのは「タレントマネジメントシステムの導入状況によって差が生じるのか」との参考資料だ。

 数値は省略するが、タレントマネジメントシステム未導入企業は過去の業績を重視、導入済み・検討中の企業は将来性を重視する傾向が見られる。過去の成功体験を重視し、新規事業創出を怠る保守的な企業が少なくないことの示した結果と指摘できる。

 タレントマネジメントシステムを活用する上での課題を尋ねると、単独・全体でトップだったのが「人事戦略と諸制度の連携が取れていない(16.4%)」。企業の経営戦略が全体に浸透せず、食い違いが生じているとも表現できる。

個人の成長が日本経済の成長へ

双日 理事 人事 総務・IT業務担当副本部長 兼 人事部長 河西敏章氏
双日 理事 人事 総務・IT業務担当副本部長 兼 人事部長 河西敏章氏

 双日で人事部長を務める河西氏が、就任直後に従業員のモチベーション認識と戦略分析を目的に部下との1on1ミーティングを実施したところ、経営課題と人事課題が浮き彫りになったという。「就職氷河期と(2004年の)会社合併による採用制限に伴い、中堅社員数が少ない」(河西氏)と説明。2018年時点では中堅社員数の減少が目立つものの、約10年後の2030年には事業会社の経営層人材が大きく減少する。

 そのため同社は、若手の早期抜擢や経営人材の育成、定年後の再雇用者増といった施策を役員会に提案した。「大事なのは経営層との対話」と語る河西氏は、企業の経営戦略から導かれる人事戦略と人材戦略をイコールで結び、「対話によって方向感のギャップを埋めること」(河西氏)が重要だと述べている。

 その上で人事部門関係者に向けて、「独りよがりではなく『共感』『協力』を得ることが大事」「外部からの見立て、評価に敏感になる」「経営が外部に発信している言葉を置き換える」と極意を語った。他方で企業の持続的成長を実現する上で、所属部署、所属チーム、個人と細分化が可能だと述べている。「個人の成長があって初めて企業の持続的成長が担保される」(河西氏)ことは論理的に見ても正論だ。

 企業の持続的成長も引いては日本経済の成長につながることを踏まえて、「個人の成長と弊社の成長へ、そして株主などステークホルダーの成長に結び付ける流れを作り、牽引するのが日本企業の人事部が目指す先」(河西氏)とエールを送った。

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