五十嵐氏は「やるべき仕事を中心にコミュニケーションを発信するスタイル」とDropbox Spaceを表現した。この他にも共有フォルダ参加メンバーの活動だけを表示するチームハイライト機能やカレンダーアプリケーションと統合することで、会議で使用するファイル共有も可能だ。
GmailやOffice 365、Zoom、Slack、Trelloなど他アプリケーションとの連携には、オンライン共同作業ツール「Dropbox Paper」も含み、今後はSlackによる共有やZoomによる会議、Trelloのタスク管理とも近日中に連携可能とする予定だ。
Dropbox SpaceはDropboxが開発した人工知能(AI)プラットフォームとなる「DBXi」を実装しており、とかく撮影日時で管理しがちな画像ファイルの内容は機械学習で読み取りタグ付けすることで、「会議」「パーティ」といった文字列で画像検索を可能にしている。
共有フォルダの概要もインデックス対象に含まれるが、「AIの実装により、議論が活発に行われる共有フォルダは『候補のフォルダ』として提案する」(Dropbox Japan ソリューション アーキテクト 保坂大輔氏)機能や、対応アプリケーションを未インストールの状態でもサムネイルを表示するファイルプレビュー機能、参照頻度の高いフォルダを追加することでアクセス性を高めるスター付きフォルダ機能も備える。各種機能にDBXiを生かした機能実装を順次行っていくと説明した。
執筆時点では未実装だが、各種ファイルを1つにまとめてメンバーと共有する「Dropbox Binder」を数カ月内にベータ版のリリースを予定している。
Dropbox Japan ソリューション アーキテクト 保坂大輔氏
発表会ではGoogleスプレッドシートのファイルをDropboxで管理するデモンストレーションを披露。本来Googleのオフィススイートはクラウド上で編集、ファイルを管理するが、「Googleとパートナーシップを結び、クラウドデータの取得を可能にしている」(保坂氏)
Dropboxの共有フォルダに格納したGoogleスプレッドシートのファイルをダブルクリックすると、ウェブブラウザ経由で編集が始まるものの、URLを見るとgoogle.comではなくdropbox.com。つまり、Dropboxからシームレスなファイル編集を可能としている。Dropbox Japanが「Dropbox Spaceはプラットフォーム」と語る所以だろう。
この他にも作業に関わるウェブサイトのURLを登録する機能や、ファイル一覧の末尾にコメント数、右ペインにコメントの内容や閲覧・編集といった活動内容を示すようになった。
Dropbox Transferは文字通りファイル転送ツールだが、ファイル所有者は、送信ファイルの閲覧回数やダウンロード数の確認、一定期間(既定は7日間)が経過すると自動的にアクセス不可能となり、送信相手はファイル編集が不可能といった特徴を持つ。
送信可能なファイルサイズだが、無償版は100MBだが、Plus/Business Standardは2GB、Professional以上は100GBまで対応する。契約書の送信など編集可能なファイル共有ではなく、“一方的に送信する”場面で有効利用できそうだ。
Dropbox Transferのデモンストレーション。複数のファイル送信が可能。また、Professionalプラン以上は30日、60日、90日の有効期限を選択できる