パナソニック、「Microsoft Teams」などと接続可能なビデオ会議システム

大河原克行

2019-11-11 07:00

 パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、多様なウェブ会議システムと接続を可能にしたビデオ会議を実現するウェブハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックス「KX-VCG100J」を発売する。

ウェブハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックス「KX-VCG100J」
ウェブハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックス「KX-VCG100J」

 「Skype for Business」「Microsoft Teams」「Zoom」といったさまざまなウェブ会議サービスと、パナソニックのビデオ会議システム「HD映像コミュニケーションシステム(HDコム)」を接続することで、会議サービスの種類を問わずに映像・音声の双方向コミュニケーションを可能にする。今後、「Slack」などのサービスも検証していく予定だ。

 「ゲートウェイボックスとPCを、HDMIケーブルやUSBケーブルで接続するだけで、ウェブ会議サービスと映像・音声の双方向接続が可能になるデバイス。業界初の製品になる」(パナソニックシステムソリューションズジャパン マーケティングセンター メディアエンターテインメント推進部ビジネスコミュニケーション課の坪憲生課長)とする。

パナソニックシステムソリューションズジャパン マーケティングセンター メディアエンターテインメント推進部 ビジネスコミュニケーション課の坪憲生課長
パナソニックシステムソリューションズジャパン マーケティングセンター メディアエンターテインメント推進部 ビジネスコミュニケーション課の坪憲生課長

 パソナニックのHDコムは、2009年の発売以来、10年目の節目を迎えるビデオ会議システム。パナソニック社内でも導入されており、全世界で4000台、そのうち国内で3500台が導入されている。

 「パソナニックでは、複数の社員が参加する会議室同士を結んだ用途ではHDコムを利用し、オフィスや出張先、自宅から接続した会議ではSkype for BusinessやTeamsといった使い分けをしていたが、それぞれのシステムがつながらないという問題が発生していた。決裁者が出張中であるためにビデオ会議ができない、あるいはビデオ会議に出席するために在宅勤務ができないといった課題のほか、遠隔地から1人で参加する場合には、ビデオ会議システムが導入されている大きな会議室を占有してしまうといった課題があった」と開発の背景を語る。

 そして、「ビデオ会議とウェブ会議のユーザーは異なると考えていたが、調査によると、49%のユーザーが併用していることが分かり、同じ課題は自社以外でも発生していると考えた。ゲートウェイボックスは、あらゆるウェブ会議システムも選ばずにつなげるようにする。また、これを安価に導入できるようにした」という。

 ゲートウェイボックスの価格はオープンだが、約40万円を想定。「他社のビデオ会議システムは、サーバーベースで高額であったり、クラウドベースで月額課金されるため、年間で約70万円はかかる。利用年数が長くなるほど差が出てくる」とした。

 ゲートウェイボックスは、HDコムのオプションとして用意。パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部 マーケティングセンター国内マーケティング部 HDVC推進課の島津幹夫課長は、「ゲートウェイボックスを利用することで、オフィスのHDコムと、自宅や出張先のウェブ会議システムと結んで、会話を行ったり、映像を表示したりできるほか、資料画面の共有も行える。ゲートウェイボックスは、メイン拠点に1台設置することで、利用が可能になる」とした。

パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部 マーケティングセンター国内マーケティング部 HDVC推進課の島津幹夫課長
パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部 マーケティングセンター国内マーケティング部 HDVC推進課の島津幹夫課長

 今後2年間で2600台の販売を目指す。

 「ビデオ会議システムは全世界で250万台が利用されており、ウェブ会議システムは2022年ぐらいには同等規模の利用が想定されている。日本では、少子高齢化による生産年齢人口の減少や育児や介護との両立など、働き方のニーズが多様化。働き方改革が喫緊の課題となっている。だが、働き方改革を実現するためには、テレワークや在宅勤務の仕組みが必要であり、ウェブ会議システムは増加していくことになる。ゲートウェイボックスは、ウェブ会議システムの利用促進にもつながる」としている。

 パソナニックのHDコムは2009年の発売以来、低遅延・高画質・高音質を実現した臨場感のあるビデオ会議システムとして進化を遂げ、現在、2014年に投入した第3世代の製品を発売している。 

 「従来は災害対策などのBCP、移動を削減する省エネ化などの用途が中心であったが、今では現場中継や働き方改革といった用途で利用されている。4地点、10地点、24地点という3つの製品をラインアップ。専用カメラのラインアップやマルチデバイス対応のほか、現場の可視化によって作業効率を向上させる『HDコムLive』、遠隔業務支援を行う対面型のキオスク端末などを商品化し、お客さまの事業効率化に貢献する製品・サービスを展開している。24拠点までの内蔵多地点接続は業界最多であり、テレビやレコーダーと同様の使いやすいリモコンを用意している。お洒落ではないが、このリモコンだけは変えないでほしいという声を多くもらっている。さらに、インターネット帯域が変動しても映像や音声が乱れないAV-QoSによって、安定した接続を可能にしている」(パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部 総括担当の村口秀昭氏)という。

パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部総括担当の村口秀昭氏
パナソニック コネクティッドソリューションズ社 メディアエンターテインメント事業部総括担当の村口秀昭氏

 国内では第3位のシェアを獲得しており、「10年間の累計販売台数をもとに、HDコムの利用によって乗り物移動がなくなることで、年間325万トンの二酸化炭素を削減できると試算される。これは東京ドーム1万3500個分に当たる」とし、「今後もお客さまの役に立ち、社会に貢献できるように事業を進めていく」とした。

HDMIケーブルやUSBケーブルをPCと接続して利用できる
HDMIケーブルやUSBケーブルをPCと接続して利用できる

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