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日本株展望

日経平均2万3000円超え--「裁定買い」で上昇の2020年の景気回復視野に - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2019-11-11 10:20

「裁定買い残」は5551億円まで低下、「裁定売り残」は1兆2491億円に増加:投機筋の買いポジションは整理され、売りポジションが積みあがった状態

 筆者がファンドマネージャー時代に、日経平均先物のトレーディングをする上で、重視していた需給指標に、「裁定買い残」がある。11月1日時点の裁定残高データを見ると、日本株は「売られ過ぎ」と判断できる。

 詳しい説明は割愛するが、裁定買い残の変化に、外国人による投機的な先物売買の変化が表れる。外国人が先物を買うと、日経平均が上昇し、(裁定取引を通じて)裁定買い残が増加する。外国人が先物を売ると、日経平均が下落し、(裁定解消売りを通じて)裁定買い残が減少する。

 近年の日経平均および裁定買い残は、以下のように推移している。

日経平均と裁定買い残の推移:2007年1月4日~2019年11月8日(裁定買い残は2019年11月1日まで)

注:東京証券取引所データに基づき楽天証券経済研究所が作成
注:東京証券取引所データに基づき楽天証券経済研究所が作成

 裁定買い残は、2007年以降で見ると、3000~6000億円まで減少すると増加に転じていた。リーマンショック後の安値(2009年)、ブレグジットショック後の安値(2016年)に、裁定残は3000~6000億円まで減少してから底を打っている。

 日経平均は、裁定買い残が減少している間(裁定売り残が増加している間)、つまり投機筋(主に外国人)が先物を売っている間は下落する。ところが裁定買い残が増加に転じる、つまり、外国人が先物買いに転じると上昇に転じる。2007~2019年では、裁定買い残が3000~6000億円まで減少したところで日経平均先物を買えば、タイミングよく日経平均が反発に転じ、利益を得られる可能性が高かったと言える。

 11月1日時点で、裁定買い残は、再び5551億円まで低下している。一方、裁定売り残は、1兆2491億円まで積み上がっている。差し引きすると、売り残が買い残を7000億円近くも上回っている。投機筋の先物買いポジションはほとんど整理され、先物売りポジションが積み上がっている状態だ。短期的な需給指標として、「売られ過ぎ」を示唆している。

 ここまで裁定買い残が減ったということは、外国人の投機筋はリーマンショック時、ブレグジットショック時と同じくらい、日本株にネガティブと判断していたことになる。ここからさらに悪材料が出ても、追加で大量の先物売りは出にくいと言える。少しでもファンダメンタルズに改善の兆しが見えれば、外国人の先物買い戻しが出やすいといえる。

  現在、米中対立が緩和する可能性、2020年にかけて5G、半導体の投資が盛り上がる可能性などが出て、世界的に株が上昇している。日経平均先物の空売りポジジョンを保有している投機筋は、損失拡大を避けるために、買い戻しを続ける可能性が高いと考えている。裁定売り残高が、裁定買い残高よりも小さくなるまで、買い戻しの動きが続くと予想している。

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