ダイバーシティとインクルージョン--バランスを取るために考慮すべきこと

Patricia DuChene (Wrike)

2019-11-20 06:45

 今日、多くの企業が、社内人材の定着と生産性にとって、社員の多様性が有益であると確信しています。日々グローバル化する現代社会において、このような確信を持つ企業によって、多様性や柔軟性は周囲の企業にも拡大しています。企業は現在、多様性への取り組みを加速するために多くの経済的コストを投入しています。

 しかし、テクノロジー企業の中でわずか12%の企業のみが「多様な、または少数のバックグラウンドを持つ人材を5人以上」雇用しているのが現状です。あるレポートでは、テクノロジー産業がサービスを展開する際に、自分たちとは異なるコミュニティーへの対応が非常に乏しいことを指摘しています。

 今日、上記のような問題を認識することと、これらの問題に対して実行可能なソリューションを訴えかけることの間にある溝を埋める必要性が高まっています。多くの企業が「ダイバーシティとインクルージョン」に関して自社での取り組みを公表していますが、「インクルージョン」に関しては、より多くの取り組みが必要です。

 「ダイバーシティ」と「インクルージョン」は、明確に区別されるべきです。この区別を見落とすことは、変化をもたらす機会を見逃すことにもつながってしまいます。Laura Sherbin氏とRipa Rashid氏は「Harvard Business Review」(HBR)で下記のように述べています

 ダイバーシティを測定するのは簡単で、社内の頭数を数えることで解決します。しかし、インクルージョンに関しては、感情の定量化が必要となり、非常に不明確になりがちです。定量化された数字とともに社員ひとりひとりの意見を理解することが、企業の実際のイメージを描くことにつながります。

 ダイバーシティが「舞台」を作り、インクルージョンは「劇」を展開する場所、とも言いかえることができます。

 インクルージョンは、関わっている人々の参加を促したり後押ししたりする環境を構築、維持するための、他者に配慮した継続的な取り組みです。この取り組みにより、すべての社員に発言力を与え、社員の発言があらゆる社内の決定事項に不可欠であることを意識づけます。この取り組みに欠けたダイバーシティは、変化につながらず、無駄な努力と言っても過言ではありません。

 幸いにも、筆者は現在、上司が筆者の意見やアイデアを求めて耳を傾けてくれる会社で働いています。 2013年にWrikeのシリコンバレー本社に入社した後、2015年にダブリンに異動し、ヨーロッパ中東アジア地域(EMEA)本社を立ち上げました。EMEA本社は2人の社員から始まり、すぐに70人以上のチームに拡大することができました。

 この過程において、ダイバーシティとインクルージョンは最優先事項であり、今後もWrikeがグローバル展開をしていく中で最も重要な事項となります。

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