一方、「全てのシーンで活用できるものはなかなかない」(森氏)。薄かったり手が荒れていたりする場合活用が難しくなる指紋認証、PCに内蔵されているカメラを活用すれば追加の機器購入が不要な顔認証など、それぞれ得意不得意があるという。携帯電話やスマートフォンなどから培う富士通の認証技術を適材適所で提供すると狙いを語る。
各生体認証の特長
今回、手のひら静脈認証を高速化。2ギガヘルツ未満のCPU論理コア2コアの場合、従来製品では3秒程度だった処理を1.5秒に短縮できたという。業務システムに追加した場合、認証時間が半減できるとしている。
PCログオンでは、指紋に加えて顔のほかに、「FeliCa」「TypeB」規格のICカード認証を追加。勤怠管理や印刷認証サービス「SecurePrint!」とも連携し、一般利用からオフィスの入退室、PCログオンまで幅広い用途に活用できるという。サーバーを活用してデータを一元管理すれば、用途ごとの登録が不要。認証方式を統一できるとしている。
PCログオン用途向けとしてデータを端末に格納する小規模向けの「Basic Plus」、格納先がサーバーとなる1万人までを想定する「Standard Edition」、1万人以上の「Enterprise Edition」のほか、数十万人までの一般消費者活用を想定するAPI組み込み用途向けの「Enterprise Extended Edition」で展開する。
4つのラインアップを用意
想定の税別販売価格の一例として、100台のPCに手のひら静脈認証のログオン機能を活用する場合、サーバーやクライアント機器などを除いて320万円。関連ビジネス全体での販売目標は3年間で150億円で、年度内でのグローバル展開を目指す。
接触せずに認証できる