サービスナウが新オフィスを開設、働き方とデジタルの“変革”基盤を推進 - 10/16

國谷武史 (編集部)

2019-11-20 06:00

 ServiceNow Japanは11月19日、同日開所した新オフィスを公開するとともに、代表執行役社長の村瀬将思氏が2019年の事業動向を総括する説明会を開催した。働き方とデジタルの“変革”につながるプラットフォームサービスの日本での展開に手応えを感じているとした。

 新オフィスは、東京都港区のアーク森ビル15階に開設された。所在地は従来と同じだが、事業の拡大と社員数の増加で同ビルの高層階に分散していた執務スペースをワンフロアに集約。併せて、カスタマーブリーフィングセンターなどの設備を新たに導入している。

ServiceNow Japan 代表執行役社長の村瀬将思氏
ServiceNow Japan 代表執行役社長の村瀬将思氏

 2016年に就任した村瀬氏は、「当時は男性社員ばかりだったが、若い世代や出身地のさまざまな社員が増えてダイバーシティーが広がっている。人材が大切であり、人を育てるオフィス、全社員が働きやすいオフィを目指した。カスタマーブリーフィングセンターも日本でよく見られるセミナールーム型ではなく体験できる機能を取り入れた」とコンセプトを説明した。

 同社のグローバルでの2019会計年度第3四半期業績(仮決算)は、売上高が前年同期比32%増の8億8580万ドルを見込む。通期では32億ドルを予想する。村瀬氏によれば、同社が特に重視しているというリニューアルレート(サービス利用契約の継続率)は平均98%、第3四半期は99%になった。11月19日付で新しい最高経営責任者(CEO)に、前SAPのCEOを務めたBill McDermott氏が着任し、「売上高重視というわけではないが、新CEOの就任で100億ドル企業への成長が加速されることを期待している」(村瀬氏)とした。

パートナープログラムの展開状況。ISVがServiceNow対応版の自前のアプリケーションをストアでユーザーに販売していけるほか、OEMも可能とする
パートナープログラムの展開状況。ISVがServiceNow対応版の自前のアプリケーションをストアでユーザーに販売していけるほか、OEMも可能とする

 また、日本法人の2019年の事業トピックとして村瀬氏は、今回の新オフィス開設のほかに、NTTコミュニケーションの連携による国内データセンターの開設や日本向けパートナープログラムの立ち上げ、ユーザー向け年次カンファレンス「Now at Work 2109 Tokyo」開催などを挙げた。国内データセンターには日本のユーザーの大半が移行しているといい、「業務上のやりとりが多いことから低遅延化によるユーザー体験の向上とセキュリティや事業継続性の強化が喜ばれている」(村瀬氏)という。

SNUG Japan会長を務めるベネッセインフォシェル ITソリューション本部 副本部長の池田毅氏
SNUG Japan会長を務めるベネッセインフォシェル ITソリューション本部 副本部長の池田毅氏

 Now at Work 2109 Tokyoは、同社サービスのユーザー会「ServiceNow User Group(SNUG) Japan」や顧客、パートナーらを中心にしたイベントで、3回目となる2019年は約2000人が来場した。SNUG Japanの会長を務めるベネッセインフォシェル ITソリューション本部 副本部長の池田毅氏は、「約120組織の350人以上が参加しており、ServiceNowの活用事例やベストプラクティスを共有したり、改善提案もしたりできることを目指している」と説明、業種別などの分科会を含め年間10回以上の会合を行う活発なコミュニティーだと紹介した。

 ベネッセインフォシェルは、ベネッセとラックの合弁会社として2015年に設立され、ベネッセグループのITシステムや情報セキュリティを主に担当する。設立直後からServiceNowを利用しているといい、企画検討から3カ月で本番利用を開始した。当初は業務端末の申請管理に利用し、ITインフラ関連の申請管理やインデント管理に拡大、現在ではグループ各社の総務系業務にも適用範囲を広げているという。

 池田氏は、「従来は個別最適のアプローチには限界があり、ServiceNowを活用してITサービス全体の観点から最適化と改善を進めていけるようになった。まだPCを中心とする業務環境だが、モバイルへの対応も見据えつつ、働き方を含むグループ全体の変革への取り組みを支援していきたい」と今後の抱負を話す。

ベネッセグループにおけるServiceNowの利用内容
ベネッセグループにおけるServiceNowの利用内容

 最後に村瀬氏は、「人が中心となり、エコシステムパートナーと共同で企業顧客の変革や人材の育成を支えるプラットフォームというのがServiceNowの目標」と説明した。同社は、アプリケーションプラットフォームサービス「Now Platform」を中核にとして、ITサービス管理を皮切りにユーザー層をIT部門から、近年は人事や経理などバックオフィスにも広げている。ここでは、競合の大手クラウドサービス各社もISVパートナーらとのエコシステムの拡大を通じてユーザーの獲得を進める。

 村瀬氏は、「ServiceNowの特徴は業務プロセスとサービス管理にある。われわれのプラットフォームのメリットを享受しやすい大規模企業にフォーカスしており、日本市場ではまだ開拓の余地がたくさんある。断言はできないが、新CEO(Bill McDermott氏)の体制ではSAPとの連携も広がっていくと期待しており、実際にわれわれ自身がSAPをベースにNow Platformを利用している」と強調した。

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