Salesforceの「Dreamforce」カンファレンスが米国時間11月19日、サンフランシスコで開幕した。Salesforceはその初日に、同社プラットフォームの新しい音声関連機能を多数発表した。新しい「Einstein Voice Skills」を使用すると、開発者や管理者は、カスタムの音声対応Salesforceアプリをさまざまな役割や分野の従業員向けに構築することができる。Salesforceは自然言語処理を利用した新しい機能も追加しており、販売チームやサービスチームはそれを利用することで、通話のトランスクリプト(音声をテキスト化した記録)からより多くの価値を得られるようになる。
Salesforceは1年前に「Einstein Voice」を初めて発表した。Amazonの「Alexa」は5年前に音声UIを一般消費者市場にもたらした。Salesforceによると、音声や自然言語処理は今まさにエンタープライズ市場に大きな影響を及ぼそうとしているという。
Salesforceのプレジデント兼最高製品責任者のBret Taylor氏は声明で、「音声は、業界にとって大きな変化であり、企業への影響力は、家庭にもたさられた際と同じくらい大きなものとなるだろう」と述べた。「Einsteinによって、Salesforceは音声の力をあらゆる企業にもたらし、職場ですべての人にインテリジェントで信頼できるガイドを提供している」
Salesforceの調査によると、顧客の75%は企業が音声アシスタントやチャットボットなどの新興テクノロジーを利用し、より優れたエクスペリエンスを生み出すことに期待しているという。IDCは、2022年までにエンタープライズ企業の3分の1が顧客とのエンゲージメントに会話型音声技術を使用するようになると予想している。
Einstein Voice Skillsは、2018年に発表された「Einstein Voice Assistant」をベースとしている。Einstein Voice Assistantは、営業担当者が顧客レコードの更新などの日常的なCRMトランザクションを処理するのを支援する。Einstein Voice Skillsを使用すると、企業は音声対応アプリを構築し、あらゆる種類の手作業でのデータ入力や手動のSalesforceナビゲーションを置き換えることができる。
ユーザーや開発者は、セットアップページから、フィールドの更新やタスクの作成など、構築したいアプリのCRMアクションを選択できる。そこから、それぞれのアクションに送るSalesforceフィールドやオブジェクトを選択することが可能だ。例えば、管理者はフィールド技術者向けのアプリを作成し、フィールド技術者が音声UIで顧客のサービス履歴を確認できるようにすることが可能だ。
またSalesforceは、自然言語処理(NLP)を新たな手段で通話のトランスクリプションに利用しており、セールスやサービスのチームに、よりスマートでパーソナライズされた顧客エンゲージメントを実現するインサイトやトレンドの情報を提供する。Sales Cloudの新機能「Einstein Call Coaching」は、NLPを利用し、マネージャーが会話データからインサイトやトレンドを確認できるようになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。