AIとクラウドで災害危険地の調査リスクを低減するシステム--スカイマティクスらが開発

大場みのり (編集部)

2019-11-22 07:00

 産業用リモートセンシングサービスを展開するスカイマティクスと、公共施設などの社会基盤整備事業を行うオリエンタルコンサルタンツは11月21日、人工知能(AI)を活用した石れき(小さな石)の自動判別クラウドシステムを開発したと発表した。砂防事業における石れき調査の課題改善が目的だ。

 砂防事業における石れき調査は人力による調査が主体であるため、危険箇所での事故の恐れや調査精度のばらつき、作業の長期化の問題が生じるという。

 同システムでは、ドローンなどが空撮した広範囲な渓流の連続写真をクラウドにアップロードすることで自動的に地形データを生成。両社が開発したアルゴリズムを用いて自動で石れきの抽出やれき径の判定を行い、レポートを出力する。砂防施設計画設計、災害時の渓流の変化状況、渓流の経年変化の把握などに活用できるという。

 詳細な機能は、以下の通りだ。

  • AIによる石れきの自動判別機能
    AIが自動で石れきを判別し、石の大きさ・数・位置を自動計測する
  • (出典:スカイマティクス)
    (出典:スカイマティクス)
  • グラフ・レポートの自動生成機能
    れき径分布グラフ・粒径分布グラフ・石れき抽出結果レポートなどを自動生成。印刷やCSVファイル(カンマ区切りファイル)でダウンロードすることが可能
  • (出典:スカイマティクス)
    (出典:スカイマティクス)
  • さまざまな地形データの自動生成機能
    オルソ画像・DSM(高低差)画像・CS立体図・三次元点群データを自動生成。Tiff・LASデータ形式のダウンロードができる。計測ツールを使い、断面図・面積・距離などを計測する
  • (出典:スカイマティクス)
    (出典:スカイマティクス)
  • オブジェクト記録機能
    抽出漏れが生じた場合の石れきの追加記録に加え、流木・倒木・構造物などの渓流調査に役立つオブジェクトを記録する
  • (出典:スカイマティクス)
    (出典:スカイマティクス)

     今後は両社で事業化し、砂防・防災事業に携わる自治体や企業が広く利用できるよう、クラウドサービスとして2019年度内をめどに発売を目指すとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]