Riley氏によると、ODIの創設時チームは現在、エンティティーメタデータのモデリングに取り組んでおり、これによってパートナーらは自社データをODIのメタデータで「デコレート」できるようになるという。また、Microsoftは「Dynamics 365」における共有機能に取り組んでおり、これによってユーザーはODI形式でエンティティーをエクスポートし、「Azure Data Lake」に格納できるようになる。同社は「Azure Data Factory」や「Azure Databricks」、そして最近発表した「Azure Synapse Analytics」といった複数のAzureサービスでODIのデータ構造をサポートできるよう取り組みを続けている。
一方、AdobeとSAPは自社のデータや製品とODIのデータ構造を統合すべく取り組んでいる。SAPは、「SAP Data Hub」とその変換テンプレートを通じたデータのエクスポートに取り組んでいる。またAdobeは、「Adobe Analytics」などで用いられている「Adobe Clickstream」のデータとの統合に取り組んでいるという。
筆者はCRM分野でMicrosoftとライバル関係にあるSalesforceがODIに参加するかどうか、そして参加するとすればその時期はいつ頃になりそうかを、複数の顧客や業界ウォッチャーに尋ねてみた。Salesforceは11月に入って、「Salesforce Marketing Cloud」のパブリッククラウドプロバイダーとしてMicrosoftのAzureを採用すると発表しており、その時が参加の頃合いだと思っていた人もいるかもしれない。しかし今までのところ、Salesforceが先週開催した「Dreamforce 2019」ではODIへの参加を発表しておらず、また近いうちに発表する兆しは見えていない。
Jukka Niiranen氏(Microsoft MVP for Business Applications)は、Salesforceが最近、Amazon Web Services(AWS)やGenesys、The Linux FoundationのJoint Development Foundation(JDF)と連携し、クラウドアプリ間でのデータの相互運用性を標準化するデータモデル「Cloud Information Model」(CIM)を作り上げたことを鑑みると、SalesforceがODIを支援する可能性は低いと考えられるとツイートしている。Dreamforceでは、CIMを活用し、企業が顧客に関する信頼できる唯一の情報源を作り上げられるようにする「Customer 360 Truth」を発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。