SOMPOの新サービスにみる「DX市場への異業種参入」 - (page 2)

松岡功

2019-11-28 07:00

中堅中小企業市場で業界トップシェアを目指す

 4つ目は、定期的なレポートでPCのリスクを可視化できることだ。定期的に提供するセキュリティレポートでは、ウイルス感染状況のほか、不正なプログラムサイト、フィッシングサイトなどへのアクセス状況やセキュリティレベルの低いWi-Fiへの接続記録、USBの接続記録などのリスクを可視化することができる。

 5つ目は、リーズナブルな費用だ。このサービスの導入により、監視、分析から駆除までのリスク管理費用を大幅に抑えることができる。初期費用は税別3万5000円、税別月額利用料は1台当たり1800円となっている。

 6つ目は、サイバー保険を自動付帯していることだ。2つ目の特長に記した分析、駆除費用は1回につき税別1万6000円となるが保険金が充当され、分析、駆除についての追加費用は不要となる。保険金額は300万円を限度としている。

 加えて、このサービスの導入を検討する際にPC無料セキュリティ診断を利用することもできる。

 これまで新サービスSOMPO SHERIFFの内容を紹介してきたが、2018年1月にサイバーセキュリティ事業をスタートさせた同社は、そのビジネスモデルやプラットフォームなどを総称するブランドとして「SOMPO CYBER SECURITY」を打ち出し、現在では図2に示すサービス群を提供。今後も継続的に「低コスト」「低負荷」「安心」に重点を置いたサービスを開発、提供し、「中堅中小企業市場で業界トップシェアを目指す」と明言している。

 筆者はこうしたSOMPOリスクマネジメントによる果敢な活動を知り、これもITからデジタルトランスフォーメーション(DX)へと広がりつつある市場での異業種参入を象徴する動きだと感じた。異業種だが、社名の通り「リスクマネジメント」という顧客ニーズに応じるならば、同社にとってはサイバーセキュリティ対策も重要なソリューションとなる。

 また、損害保険の契約先がこのサービスの顧客対象にもなることから、中堅中小企業市場で業界トップシェアを目指すというのも可能性がある目標だ。こうしたSOMPOの事業展開に対し、セキュリティベンダーは今後、競合するのか、連携を図っていくのか。いずれにしても業界の垣根を越えた動きに今後も注目していきたい。

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