伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、機械設備や人、作業工程などをコンピューター上で再現し、生産の最適化につなげるデジタルツイン関連のソリューションを提供する。製造や物流の分野を中心に1年間で10社への提供を目指す。今回の提供に先立ち、日立ケーイーシステムズのデータ収集のためのIoTソフトウェア「WORKFRONT/IoT」、マクニカのセンシング&エッジコンピューティング端末「SENSPIDER」を活用したデモシステムも構築した。
「デジタルツイン」は、工場や物流におけるプロセスの全体最適化を図る手法で、物理的な環境(フィジカル空間)をそのままコンピューター(サイバー空間)上で再現する。
デジタルツインソリューションのイメージ(出典:CTC)
ソリューションは、予測のための人工知能(AI)と最適化や制御のためシミュレーション機能を備えたIoTプラットフォームとして機能する。例えば、工場設備の異常をAIでリアルタイムに予測し、その予測に基づきシミュレーションを実行して工場の最適な生産計画を算出したり、シミュレーションのパラメーターをAIで調整して計画策定の効率化につなげたりすることが可能となる。
また第5世代移動体通信システム(5G)によるデータ通信の超高速化・多接続化・低遅延化を活用し、フィジカル空間とサイバー空間とのリアルタイムな対応範囲を拡大することで、都市や広範囲の交通網、エネルギーなどの分野で、実際のフィジカル空間だけでは見えてこなかった社会課題を特定し、解決につなげることも可能にする。
データ収集とAIの実行環境にはSAS InstituteのIoTソフト「SAS Event Stream Processing」を使用し、シミュレーションソフトにはLanner Groupが開発した「witness」を使用する。