ドローン・AI事業、演算力シェアリング事業、エアーモビリティ事業を手掛けるA.L.I. Technologiesは、三菱電機と水道事業におけるブロックチェーン技術活用への協業に向けた実証実験を開始したと発表した。
水道事業を運営してきた自治体は、10月1日に施工された改正水道法に伴い、浄水場などの施設を所有したまま、施設の運営を民間事業者に委ねることが可能となり、利用者ニーズを反映した多様なサービスの提供が期待されている。一方で、運営が適切に行われなければ水質が悪化する危険性もあり、民間事業者は透明性確保やサービスの安全性に対する説明責任が強く求められる。
今回の実証実験は、水道サービスが適切に運営されていたかを有事の際に事後的に立証できる仕組みで、決められた時間ごとの運営の適正性を証明するために必要なデータ群(水質やオペレーションデータ)を特殊な形式でパブリックブロックチェーンへ記録する。将来そのデータが必要になった際に、該当時間のデータとブロックチェーンに記録したデータが合致していることで、データの真正性を証明する。
水道事業者への運営システム納入を手掛けている三菱電機のソリューションに、A.L.I.の持つブロックチェーンの知見と技術を組み合わせることで、民間企業が単独で構築するのが難しい非改ざん証明能力の高いデータプラットフォームを実現する。これにより、水道事業民営化に向けたインフラの安全性担保、参入する民間企業の効率的運営、専用サーバーが不要なことによる水道事業全体の環境負荷低減に貢献するとしている。
図:実証実験のイメージ(出典:A.L.I. Technologies)