大手建設会社の鴻池組(大阪市中央区)は経営会議など13種類の社内会議をモバイルコンテンツ管理(MCM)ソフトウェア「Handbook」でペーパーレス化、作業工数を年間約200時間削減できるという。Handbookを提供するアステリア(旧インフォテリア)が11月28日に発表した。
2021年に創業150周年を迎える鴻池組は東京と大阪に2つの本店を構えるほか、国内に11の支店と技術研究所、2つの機材センターがあり、海外に6つの拠点を据えている。従業員数は1738人、2018年9月期の連結売上高は2511億3800万円。
鴻池組の経営会議などは、最大200ページの資料を印刷、製本しているが、差し替えなどがあるために会議のための準備作業が発生していたという。担当者は休日出勤や残業で対応していた。
働き方改革を進める上で会議の準備作業で発生する大量の紙や複合機の占有時間の削減、共有複合機の占有、担当者の業務負荷の軽減を検討。こうした課題を解決できるツールとしてHandbookの採用を決めた。
鴻池組は2018年11月にHandbookを導入。Handbookで資料の差し替えがあってもアップロードで即座に対応している。経営会議のほか、働き方改革会議や技術検討会議など13種類でHandbookを活用し、プロジェクトの説明や原価管理、試算表、設計図などの資料を電子化している。Handbookの管理は経営企画部と情報システム部門が管理している。
同社経営戦略本部 経営企画部 部長の匹田(ひきだ)隆治氏は「経営会議のペーパーレス化から始まったHandbookの活用は、管理側の工数を削減しただけでなく、安全、安心、確実に資料を共有できること、そしてシンプルな操作性が好評。経営層から活用を始めたことで社内でのペーパーレス会議への理解が順調に進み、今後は各拠点での会議にも適用を進める予定。会議だけでなく、人事部門における採用プロセスでの資料共有にも展開したいと考えている」とコメントしている。
鴻池組でのHandbookを活用した会議風景(出典:アステリア)