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活用を阻む意外な「あるある」--リモートワーク浸透に大切な2つのポイント

なかむらアサミ (サイボウズ チームワーク総研)

2019-12-09 07:00

 この連載では、リモートワークの決めごとの考え方、導入時のチェックリスト、サイボウズの導入の変遷とお伝えしてまいりました。最終回の今回は、他社の事例などを交えながらまとめてみたいと思います。

浸透の失敗例と成功例

 すでにリモートワークを実施している企業においては、「制度はあるけど使いづらい」という声をよく聞きます。何が使いづらいのか聞いてみると、たいていは「上司に申請しにくい」の一言。

 その理由には、「上司が使っていないから」「却下されそう」「理由を色々聞かれそう」といった制度の目的を上司が理解していないのではといった懸念が挙げられました。

 私たちチームワーク総研は、様々なテーマでの企業研修、ワークショップを行っています。たとえば、ある企業で、会社の問題を洗い出すワークショップを行った際にも、「もっとリモートワークを使いたい」といった悩みが現場から上がってきました。5~6チームのうち2チームがその問題を掲げており、2チームとも「リモートワーク制度をもっと使って働きたい」と希望を発表しました。

 その場にいた管理職の方々は、彼らの発表を聞いて、「どんどん自分の好きなところで働けばよい。みなさんの意見を受けて、まず私は来週水曜を完全在宅勤務にします。〇〇部長、△△部長もぜひ積極的にリモートワークしてください」と発言しました。

 後日、その企業の方たちとお話をしたところ、その発言された管理職の方は、その日以降週1で在宅勤務するようになり、部長陣もリモートワーク制度を以前より利用し始めたとのこと。メンバーがリモートワークしたいという申請に対して異を唱える人はいないということでした。

リモートワークを推進できた2つのポイント

 この話には2点ポイントがあります。

 1つは部のトップが推進して制度を利用し始め、かつ、他のマネージャー層にも制度利用を促したということ。また、その行動を部下も含めて確認できている点です。

 「トップが規範を見せて行動する」が浸透の一番のきっかけになるのは言うまでもありません。この話においては、「やるよ」と部下全員の前で話したこと、それだけでなく他の管理職の方にもその場でほぼ命令のように(?)促したことが一番素晴らしかったと思います。

 2つ目は、そもそもメンバーの「却下されそう」といった理由の半分以上が、実は杞憂だったということです。

 「リモートワークをもっとしたい」と勇気を出して発言したメンバーに対して「やればいいよ」という声は実はワークショップ中にも上がっていました。発言したメンバーが、そのワークショップの場で「え? そうなの? いいの?」という顔をしたのは言うまでもありません(笑)。

 また、後日、話を伺ったときも「別に、したらいいと思ってはいるけど、したいという意見がそもそも出てこなかった」と話す管理職の方が多かったのです。管理職の方としては「反対したことはない」ということでした。

発言する勇気を持つメンバーの責任と、発言しやすい環境を整える上司の責任

 2つ目の「メンバーが勝手に忖度して意見を出さない」は、実は、リモートワークを推進するうえでの「あるある」です。

 この事象の解決方法は2つあります。一つはメンバー側の行動として、「勇気を出して自分のやりたいことを率直に伝える」ことです。あっさり許可が出るという場面を私たちは数々見てきました。そしてその度に「勝手に壁を作っていたのは自分だったのか」とメンバーも振り返るのです。

 仕事に限らず「勝手に自分で壁をつくる」は普段から私たちがよくしてしまう行動です。「自分には無理」「どうせダメだろう」――。その意識を少しずつ捨てていくことが大事です。人は言ってくれないと分からないものです。自分のことを常に観察して慮ってくれる人は皆無だと思ってください。自分の「やりたい」を発言することを恐れない。壁は自分が勝手に作っているものかもしれません。

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