2020年1月にWindows 7、同年10月にはOffice 2010のサポートが終了(End Of Support:EOS)するという大きなトピックを控えるPC市場。2019年10月の消費増税に伴う駆け込み需要も相まって、9月の売り上げは前年比80%を超えたという。10月こそ落ち込んだものの、11月に再び回復基調。2桁成長となる可能性もあるという。
なかでも、9月に前年比40%以上の売上増加となったのが「モダンPC」だ。

販売が伸びているという「モダンPC」
日本マイクロソフト(MS)とインテル、各PCメーカーなどが業界を横断して提唱するPCブランドの総称で、Windows搭載の各社のコンシューマー向け最新PCがラインアップ。液晶画面が360度回転する2in1コンバーチブル、キーボードと分離可能な2in1デタッチャブル、厚さ18mm以下のウルトラスリムといった快適に活用できるデザイン性と、起動や処理速度の速さにつながる高いスペックを兼ね備えた製品を揃えているという。

檜山氏
MSで執行役員 常務を務めるコンシューマー&デバイス事業本部の檜山太郎氏は「細かい仕様よりもパフォーマンスや活用時の体験を重視している。最新鋭の『Windows 10』と『Microsoft Office』で最大限のパフォーマンスを引き出し、快適に活用できる」とブランド選定のポイントを説明。
また、執行役員 コンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー 営業統括本部長の梅田成二氏は「Windowsは10となり名前としてのバージョンアップがなくなった。CPUの名前も『Core i』が続き、ITに詳しくない方からすると新製品と旧製品との違いが分かりにくい」と語る。
モダンPCには“7~8年前とは全く異なるユーザーエクスペリエンス(UX)が体験できる、分かりやすいブランドの定着”という狙いがあるようだ。グローバルでの共通戦略となっており、中長期的に展開していくという。

モダンPCの条件
MSが11月27日にPCメーカー数社とともに開催したプレスイベントでは、各メーカーの担当がモダンPCの中でのイチオシ機種を紹介。“働き方改革”や“テレワーク”といった昨今のトレンドもあり、ビジネス用途を意識した選定となった。

(左から)MS檜山氏、Dynabook長嶋氏、デル田尻氏、HP沼田氏、富士通クライアントコンピューティング高嶋氏、NECレノボ川島氏、MS梅田氏