クラウディアHD、ブライダル事業のデータ分析基盤を自律型DBで構築

NO BUDGET

2019-12-09 10:58

 日本オラクルは12月3日、クラウディアホールディングス(クラウディアHD)のブライダル事業におけるデータ分析基盤として「Oracle Autonomous Data Warehouse」(ADW)が採用されたことを発表した。

 クラウディアHDは、婚礼衣裳の企画・製造・販売事業のほか、リゾート挙式、式場運営などの婚礼事業も展開する総合ブライダル企業。同社の基幹システムは、主にウェディングドレスやタキシード、アクセサリーなど受注生産業務に携わる約100人のスタッフが利用する生産管理システムと、約600人の店舗、式場運営、営業関連スタッフの利用する販売管理システムからなり、いずれもオンプレミスの環境で稼働していた。15年前に構築したこのシステムは、稼働事業規模の変化に伴い改修を加えながら利用されてきたが、サーバーのトラブルなどの問題もあり、大掛かりな改修と移行が必要だった。

 一方で、受注実績・売上実績・ブランドごとの受注分析、店舗ごとの受注状況、在庫状況など事業における重要なデータは全て基幹システムで管理されており、経営層・各部門・店舗が必要とするデータの抽出や加工は、データベースにアクセス権限のある情報システム担当者が手作業で行っていたため、情報システム担当者にとって大きな負担となっていたという。

 クラウディアHDでは、こうした状況を改善し、膨大なデータを用いて現状把握と予測を行い、将来の商品およびサービス強化に向け有効活用してくため、ADWを導入し、データ活用基盤を新たに構築した。データ活用基盤の構築により、膨大なコストがかかる基幹システムのプログラム修正や従業員への負担のかかる運用変更を避け、基幹システムのデータの可用性を高めることで、全ての従業員が必要な時に必要なデータへアクセスできるようになった。

 同社はADW上で受注生産をベースとした婚礼衣裳や関連商品の生産管理データと各店舗、式場などでの販売管理データの統合を図り、シームレスにデータを参照、抽出できる環境を整備した。また、「Oracle Data Visualization Desktop」を用いて、利用者がセルフサービスで容易に必要なデータを可視化、分析できる環境を整え、情報システム担当者のレポーティング業務の負担を軽減している。

 クラウディアHDは、顧客ニーズや市場トレンドに対応した新商品の開発や店舗における顧客の購入体験の向上、きめ細やかで迅速なサポートによる満足度向上など、高品質な商品とサービスの提供に向けデータの活用を進めていくとしている。また今後は、店舗スタッフや生産部門などの現場スタッフの業務効率と情報システム担当者の運用効率向上に向け、基幹システムの改修とクラウド移行を予定しているという。

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