SAS Instituteは12月3日、世界のビジネスリーダー(450人が回答)を対象にIoT/AI(人工知能)の利用実態を調査した結果を発表した。IDCのリサーチ/分析部門とともに、SAS、Deloitte、Intelが実施した。
これによると、組織全体でIoTの取り組みから価値を得るためには、AIの活用が最も重要な要素であることが明らかになった。IoTの運用にAIを多用している回答者の90%は、期待を上回る価値を得られていると答えた。また、AIとIoTを併用している組織は、IoTのみを使用している企業よりも、「従業員の生産性」「イノベーション」「運用コスト」といった側面で競争力が高いと考えられているという。
また、企業の68%は日常的な運用における意思決定のためにIoTデータを活用し、表計算ソフトや非AI技術を通じて情報を得ていることが分かった。IoTを用いて計画立案の意思決定のために情報を得ている回答者はわずか12%だったが、AIが関わってくるとそのデータを日常的な計画立案に用いている回答者は31%まで増加する結果となった。
調査では、上級幹部の79%はIoTプロジェクトの意思決定に関与しており、この幹部のうち92%は“AIoT”の価値が期待を上回っていると回答した。AIoTとは、AI技術の支援を受けて、コネクテッドIoTセンサーやシステム、製品データを組み合わせて行う意思決定のことで、AI技術には深層学習、機械学習、自然言語処理、音声認識、画像分析が含まれる。
AIoTを利用する最も重要な目的は「増収」と答えた回答者は34%となり、続いて「イノベーション能力の向上」が17.5%、「顧客への新しいデジタルサービスの提供」は14.3%、「運用コストの削減」が11.1%となっている。AIoT機能を開発した企業は、「運用の高速化」「新規デジタルサービスの導入」「従業員の生産性の向上」「コストの削減」など、組織の重要目標の達成に成果を挙げていることが分かった。AIを導入せずにIoTデータを使用して運用の高速化を図っている企業はスピードが32%向上したのに対し、構成にAIを追加した企業のスピードは53%向上している結果となった。