本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回はITに関連する気になる動きとして、SAPジャパンと早稲田大学による“共創”の動きについて取り上げたい。
早稲田大学が「SAP University Alliances」に加盟
SAPジャパンは先頃、早稲田大学が同社のデジタルエコシステムの1つである「SAP University Alliances」に加盟し、“共創”を推進すると発表した。これにより、早稲田大は学校法人組織の下にある早稲田大学、早稲田大学高等学院、早稲田大学高等学院中等部などすべての組織において、SAPの広範囲にわたるソリューションを研究、授業の目的で活用することが可能になる。
SAP University Alliancesとは、最新のSAPテクノロジーを教育課程に統合できるよう、世界116カ国以上3700校を超える教育機関を支援するグローバルプログラムである。SAPの最新ERP「S/4HANA」やビジネスアナリティクス、その他のSAPソリューションに関する学習リソースにより、デジタルな未来に必要な知識とスキルを備えた次世代を担う人材の育成を推進している。
早稲田大は、2032年に迎える創立150周年に向けて、中長期計画「Waseda Vision 150」を掲げている。この計画では、「Vision 1:世界に貢献する高い志を持った学生」「Vision 2:世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究」「Vision 3:グローバルリーダーとして世界を支える卒業生」「Vision 4:世界に信頼され常に改革の精神を持って進化する大学」の4つのビジョンを策定し、「世界で輝くWASEDA」を目指している。
こうしたビジョンのもと、早稲田大はS/4HANAを導入し、2018年4月に稼働。経営面でのSAPソリューション活用によるグローバル化推進を契機に、全学のグローバル化をさらに促進するためにもSAP University Alliancesに加盟し、研究や授業など学術面でもSAPソリューションの活用を進めていくことにした。
本プログラムへの加盟により、SAP University Alliancesやグローバルの教育機関が提供する学習カリキュラム(講義用スライド、エクササイズ、ケーススタディなど)やアカデミック向けの無償SAPクラウドソリューション、ユニバーシティコンピテンスセンターを通じたパートナーによるホスティングと保守(非営利価格)、SAP Learning Hub, academic editionなどが使用可能となる。まずは基幹理工学部の授業において、SAP Analytics Cloudを活用する予定だ。