Cisco Systemsは米国時間12月16日、ネットワークデバイスの設計やFPGA(Field-Programmable Gate Array)テクノロジーを手がけるExablazeを買収する意向を明らかにした。Ciscoにとって、低レイテンシーなアプリケーションの追求に向けた動きと言える。
Ciscoは先週、次世代のネットワーキングアーキテクチャーの構築に向けたシリコンやオプティクス、ソフトウェアの戦略の概要を発表している。
同社は声明で、Exablazeの製品やテクノロジーを「Cisco Nexus」スイッチのポートフォリオに統合すると述べている。Ciscoは、高頻度取引(HFT)や、金融サービス、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、人工知能(AI)/機械学習(ML)用クラスターのような分野でExablazeの製品やテクノロジーを活用する計画だとしている。
またExablazeは「ExaLINK」ブランドの下でスイッチやネットワークアダプター、FPGA開発製品を製造している。
買収条件は明らかにされていない。
Exablazeの製品やテクノロジーは、Ciscoのインテントベースネットワーキング戦略の一部となり、Ciscoの現在のスイッチングテクノロジーを補完することになると見込まれている。
大局的に見た場合、Ciscoは次世代ネットワーキングに向けてシリコンやオプティクス、ソフトウェアへの投資を増やしている。「Cisco Silicon One」や「Cisco IOS XR7」OS、「Cisco 8000 Series」はCiscoの将来を見据え、地盤を固めるためのものだ。
Ciscoは大々的な投資をしなければ、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platformといった大手クラウドにワークロードを奪われるというリスクを背負い込むことになる。
この観点から述べておくと、Ciscoは「未来のインターネット」テクノロジー戦略として、AT&TやCenturyLink、Comcast、Facebook、Microsoft、The Walt Disney Studiosをイノベーションパートナーに迎えている。
Cowen & CompanyのアナリストであるPaul Silverstein氏は、ソフトウェアとシリコン、プラットフォームというCiscoの戦略は、「ネットワーキング業界で進んでいる構造変革と、Ciscoが直面している大きな脅威と機会に真正面から取り組む」ためのものとなっていると述べている。
さらに同氏は次のように説明した。
こういった脅威と機会には、競合する脅威の増加と、その激しさの増大が含まれているとともに、従来の顧客の購買力という観点や、ウェブスケールの顧客の増加、特にAWSやFacebook、Google、Microsoftをはじめとするクラウド界の巨人の顧客の増加という観点から見た、Ciscoが取り組める市場機会の変化がある。より具体的に述べると、Ciscoはウェブスケール企業の存在感の増大とともに、それによってもたらされる従来型のネットワーキングやその他のITベンダーへの影響、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の台頭、最先端のスイッチ機器やルーター販売企業としてのBroadcomの影響力に対応しようとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。