NECは2020年2月、複数台/複数タイプの無人搬送車(AGV)などの自律移動ロボットを集中的に管理、制御する自律移動ロボット管制ソフトウェア「NEC マルチロボットコントローラ」の提供を開始する。

自律移動ロボットの活用における課題(出典:NEC)
同ソフトウェアは、自律移動ロボットの走行経路を算出する独自機能をはじめ、さまざまな自律移動ロボットを集中制御できる機能を持つ。種類や用途の異なる自律移動ロボットを同じシステム上で集中制御でき、自律移動ロボットによる搬送業務の効率化や安全な運用が可能となるという。
自律移動ロボットの導入を進めるには、システム全体の安定性やセキュリティの確保が必要とされる。NECは、現場で利用される無線通信を安定化する技術や、現場に配備するデバイスやロボットなどの乗っ取り・なりすましを防ぐIoTセキュリティ製品と組み合わせることで、システム全体の堅牢化を実現するとのことだ。
今回、自律移動ロボットの第1弾として、不整地などでの高い走破性を誇るトピー工業のクローラタイプ走行ロボットへの採用が決定。2019年10月からトピー工業において実施している実証実験が終了後、2020年2月から提供を開始する。今後、AGV以外にも自動フォークリフトや点検・警備ロボットなどさまざまな自律移動ロボットへの対応を進め、ラインアップを強化する。
NECは、製造・物流業などを中心に今後3年間で工場、倉庫、物流施設など300拠点に導入することを見込んでいる。近年、工場や倉庫などの省力・省人化のため、AGVなどの自律移動ロボットの導入が進んでいるが、人やモノが煩雑に動き回りレイアウトが動的に変化する現場や、物流量の変動により刻々と業務状況が変化する現場に柔軟に対応することが難しく、期待する効果が得られないという課題が背景にあるという。