NGINX強制捜査めぐる非難受け、Ramblerが刑事告訴を撤回へ

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-12-18 19:11

 Ramblerは、オープンソースコミュニティやロシア国内の技術コミュニティからの激しい反発を受けて、世界的に利用されているウェブサーバーの開発元であるNGINX, Incに対する刑事告訴を撤回することになったという。

NGINX
提供:NGINX, ZDNet

 同社は今後、民事訴訟でNGINXのソースコードの所有権を追求する考えだとRamblerの広報担当者は米ZDNetに述べた。

 この決定は、現地時間12月16日午前に開催されたRamblerの取締役会で下された。この取締役会は、ロシア最大の銀行の1つであり、Ramblerの筆頭株主(持ち株比率46.5%)でもあるSberbankの求めで開かれたものだ。

 Sberbankが招集した取締役会に先立つ週末には、ロシアの技術コミュニティからRamblerに抗議する声が上がった。

 NGINXのモスクワオフィスは、12月12日にロシア警察の強制捜査を受けた。これは、過去にオープンソースプロジェクトに関して起こった著作権の争いでは、1度も見られたことがないような衝撃的な事態だった。

 警察は強制捜査の際、ウェブサーバーnginxの開発者であるIgor Sysoev氏ら、NGINXの創業者2人を拘束して尋問した。2人は同日中に釈放されたが、持っていたスマートフォンをロシア警察に押収されたという。

 この強制捜査が実施されたのは、Ramblerの依頼を受けた投資会社が、RamblerにはNGINXのプロジェクトとそのソースコードに対する所有権があると主張して、NGINXに対して(民事訴訟を起こすのではなく)刑事告訴を行おうとしたためだ。同社の主張は、Ramblerに在職していた時期のSysoev氏が、同プロジェクトの開発を行っていたというものだった。

 強制捜査が報じられると直ちに、国際的にもロシア国内でも、Ramblerに対する容赦のない厳しい批判の声が上がった。

 Ramblerの法的な主張や、同社が通常の訴訟ではなく刑事告訴を選んだことは、第三者の目には到底理解できないものだった。

 Sysoev氏は過去のインタビューで、自らの余暇でNGINXを開発したと主張しており、Ramblerはサーバーを最初に採用した企業でさえないとしていた。同社は、今回の動きは金銭目的のものだと批判された。

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