Amazonは、「Alexa」を職場に普及させる取り組みを進めている。同社は、「Alexa Knowledge Skills」のプレビューに開発者が登録できるようになったと発表した。Alexa Knowledge Skillsは、特定のスキルを名称で呼び出さなくても、ユーザーがスプレッドシートのデータについて質問できる新しいスキルタイプだ。
Knowledge Skillsは、組織がビジネスのさまざまな詳細に関するデータ(建物の情報、従業員情報、イベント、組織図、用語集、製品カタログなど)のスプレッドシートを入力し、組織内に配備されたAlexa対応機器で従業員がそのデータを利用できるようにするものだ。ユーザーは、「Alexa」と言ってから質問するだけで、これらのデータについて尋ねることができる。
Knowledgeスキルを開発するには、スプレッドシートのデータをアップロードして、ハウツー情報やイベント、店内アシスタントなど、さまざまなユースケースに対応したテンプレートにマッピングする。Knowledgeスキルの構築に、コーディングやAmazon Web Services(AWS)インフラは必要なく、「Alexa for Business」あるいは「Alexa for Hospitality」サービスを使っている組織であれば利用できる。
Amazonによると、すでにBayCare Health Systemやセントルイス大学などの組織がKnowledgeスキルを導入し、学生や来院者のよくある質問に答える手助けをしているという。
BayCare Health Systemのイノベーション担当ディレクターCraig Anderson氏は、次のように述べている。「Alexa Knowledge Skillsによって、複雑なコーディングや長い開発プロセスを必要とせず、BayCareは医療システム全体でAlexaの体験をカスタマイズできるようになっている。傘下にある15の病院と多くの外来診療センター、BayCare HealthHubで、Alexaを通じて顧客やTeam Member(会員)にリアルタイムで直接回答を届けられるという大きな可能性が見込める」
Amazonはさまざまなサービスを企業向けに対応させているが、新しいKnowledgeスキルもこれに並ぶものだ。Amazonは、2017年に「Alexa for Business」を発表するとともに、着実に機能を拡充してきた。
2月には、企業やパブリッシャー、ブランド向けに「Alexa Skills」プログラムを開始し、3月にはBlueprintsのウェブサイトに企業向け専門カテゴリを開設した。「Skill Blueprints」は、誰でもスキルを作成し「Alexa Skills Store」で公開できる手段として、2018年4月にリリースされた。同様に、企業はAlexa for Business Blueprintsを利用して、自社向けに専用の音声対応型の生産性向上サービスを構築できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。