SGシステムは12月23日、クラウド型運行管理システム「Biz-Fleet」を佐川急便の営業所に導入し、2020年1月に運用を開始すると発表した。同社は、佐川急便が取り扱う荷物を追跡管理するシステムを開発・保守管理する企業。Biz-Fleetは、複数メーカーのデジタル式運行記録計「デジタルタコグラフ(デジタコ)」に対応するという。
トラックなどを使用する貨物自動車運送事業者は、各種関係法令を守り輸送の安全の確保するため、適切な運行管理業務の遂行が義務付けられている。デジタコを活用することで法定三要素(時間・距離・速度)だけでなく、急加減速や急ハンドル、速度超過といったドライバーの運転情報も記録できる。これにより、個々のドライバーの運転特性や癖を把握し、安全運転指導に役立てることが可能だとしている。
ただ、デジタコのメーカーが提供する運行管理システムには互換性がないため、運送事業者は一度デジタコを導入すると、別のメーカーから欲しい機能を搭載したデジタコが発売されても変更することが難しいという。これを受けてSGシステムは、「マルチベンダ・マルチデバイス」というコンセプトのもと、Biz-Fleetを開発。同システムは複数メーカーのデジタコと連携し、さまざまなメーカーが提供するデジタコのデータを管理することができるとしている。

(出典:SGシステム)
さらに、ドライブレコーダーやカーナビ、スマートフォンなど、他のIoTデバイスとも連携して取得したさまざまな車両情報をクラウドシステム上で集約・管理し、総合的な運行管理をすることが可能となる。

(出典:SGシステム)
SGシステムは、2017年から佐川急便の一部の営業所でBiz-Fleetの導入検証を実施してきた。その結果を受けて今回、初期導入として34営業所に導入する。導入検証の主な結果は、以下の通りだとしている。
- 営業所から離れた外部倉庫など、運行管理者とドライバーが離れた拠点で点呼を行える「IT点呼」の活用により、点呼業務を効率化
- ドライバーが手書きしていた運転日報をスマホ入力に変更し、帰庫時にプリンターから自動出力。これにより、ドライバーが運転日報に費やす時間を削減するとともに管理者の確認作業工数を削減
- 運行データのデジタル化に伴い、ドライバーの運転特性を可視化。そのデータをもとに交通の危険な場所を記した地図を点呼時に用いることで、安全指導の質を向上
- 地図上に運行の軌跡を表示させ、適切なルート指導を行うことにより、業務や燃費を効率化
- ドライバー貸与スマートフォンの休憩アプリなどと連動し、運転中や配達中の休憩取得状況を可視化