Rimini Streetは米ネバダ州ラスベガスで2005年に創業した第三者保守サービスの草分けで、2017年10月にはこの業種で初めて株式公開も果たした。現在、サービスの対象としているのは、OracleやSAPのERPソフトを中心として表1に示す製品だ。OracleやSAPなどとは競合関係にあるが、2018年5月にパートナーシップを結んだSalesforce.comとは補完的な関係を築いている。
表1:Rimini Streetが手掛ける第三者保守サービスの対象(出典:日本リミニストリート)
最大の特徴は、ユーザー企業がエンタープライズソフトベンダーに支払っている年間の保守料金を「半額」に設定していることだ。さらに、ベンダーが提供するソフトを10年以上使い続けると、年間保守料金のほかにアップグレードやカスタマイズの保守、そして保守要員の費用がかさんでくる。これに対し、同社のサービスを同じ期間利用すれば、全体で最大90%の費用削減を図ることができるという。
現在、グローバルでの顧客数は2000社超。2019年度(2019年12月期)の売上高見込みは2億7500万ドル。同年度第3四半期(2019年7~9月)の売上高の前年同期比を見ると2桁増を記録しており、堅調に成長しているようだ。
Rimini Streetのサービスがユーザー企業に受け入れられる背景には、OracleやSAPなどのエンタープライズソフトの保守料が高すぎるとの不満が、ユーザー企業の間で高まっている状況があるという。それでも長らく状況が変わらなかったのは、市場に競争がないことからユーザー企業には選択肢がなく、ベンダーの言うがままに従わざるを得なかったからだとしている。ここでのキーワードは「選択肢」である。
第三者保守サービスをどう使うか。企業のIT部門にとっては選択肢の1つとして、有効なときにはぜひ上手に活用したいものである。