SCSKは業務アプリ基盤の新版「CELF 3.0」を2020年4月から提供する。新版では、ウェブアプリの自動作成機能を利用できる。12月24日に発表した。CELFの既存ユーザーは新機能の試用版を同日から順次提供を開始した。
SaaS形式で利用できるCELFは、既存の業務で活用されているExcelをアップロードして業務アプリケーションを作れる。操作性はExcelに寄せていて、Excelに慣れていれば、CELFも問題なく使えるという。マウス操作だけでカスタマイズ可能。CELFで作った業務アプリケーションは印刷することもできる。
CELFにはサンプルも用意されている。予算実績管理や案件管理、人事考課や目標管理、店舗業務管理、交通費申請や物品購入申請などのワークフローなど日本企業の業務の現場でよく活用されているものを流用することができる。
例えば予算編成では、Excelのファイルを関係部署に送信して記入してもらい、返信してもらうといった作業がなくなる。CELFで一元管理できる。案件の進捗管理であれば、営業担当者が複数人で共有、編集できる。
ローカルPCでのExcelで管理すると、複数のExcelファイルを集計するのに手間がかかるという課題がある。マクロを作った担当者がいなくなった職場で、そのマクロを組み込んだExcelファイルを使い続けることもまたリスクだ。ファイルが壊れてしまうとかなりの作業が必要になる。ファイルサーバーに置いてあるExcelを複数人で使っているという環境だと、ロックがかかって入力できないという課題を経験したことも多いかと思う。
Excelの課題（出典：SCSK）
CELFを提供するSCSKは、CELFのトライアル版を利用したものの正式版を導入していないユーザー333人に電話で調査。加えてIT企業以外の一般企業に勤める社会人630人に「業務効率化」をテーマにウェブアンケートを実施した。
電話調査で回答した204人のうち約半数の46％が「作る、試す時間がない」「自分のスキルがない」と回答している。ウェブアンケートでは、630人の半数がITツールを作る、試すことに費やせる時間は「ない」と回答。ITツールを導入したいが、十分に時間を割くことができない現状が明らかになっている。
こうした実態を踏まえて、SCSKはITツールの導入を検討している担当者が手軽に検証できるように、CELFにウェブアプリ自動作成機能を搭載した。最短1分で毎日使っているExcelからウェブアプリを自動作成できるという。
SCSKではまた、実際の業務で活用されているExcelシート約300枚以上を調査。単純なデータのみのシートを除くと大半が一覧表や単票、クロス表の3タイプに分類できることが分かった。この3タイプはウェブアプリにすることで業務改善が見込めるとして、3タイプに応じたウェブアプリの自動作成機能を追加することにした。
クラウド版のCELFの税別価格は、1ユーザーあたり月額1500円（年額で1万7500円）。最低ユーザー数は10ユーザー以上。オンプレミス版も提供されている。
