ベンチャー企業のH2LとNTTドコモ(ドコモ)は1月10日、他者の口の動きや顔の表情を自身の顔でリアルタイムに再現するという「Face Sharing」を共同開発したと発表した。H2Lが提供する「BodySharing技術」の新技術として開発された。
Face Sharingは、ユーザーの頬に装着したデバイスが口の周りの筋肉に電気刺激を与えて収縮させることで、他者の口の動きや人工知能(AI)が指定する口の動きを再現する。これによって、ユーザーは他者の口の動かし方を体験できる。適切な場所に装着すれば痛みはないといい、複数人に同時に再現することも可能。さらに、他者の顔の3D映像をユーザー自身に投影することで、見た目の表情も再現できるとしている。
Face Sharingの使用イメージ(出典:H2L、ドコモ)
Face Sharingを5G(第5世代移動通信システム)と組み合わせることで、遠く離れた場所でも他者の口の動きや顔の表情をリアルタイムで再現したり、より多くの人数で同じ体験をしたりすることが期待されるという。将来的には、遠隔からサポートを受けながらユーザーが外国語での会話や専門的な知識が必要な会話を行うことを目指している。
両社が目指しているFace Sharingの活用方法(出典:h2L、ドコモ)
両社の役割は、H2Lが電気刺激による身体制御ノウハウの提供、研究開発の運営、ドコモが5Gネットワークの提供、研究開発の運営だとしている。両社は今後もFace SharingとBodySharing技術の研究開発を推進し、身体全体への拡張を含めた検討を進めていくという。