沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、ファイル/オブジェクトストレージ「FlashBlade」を採用し、イーサネット上の分散環境でも高速にアクセスできるストレージシステムを構築した。同ストレージを提供するピュア・ストレージ・ジャパンが1月14日に発表した。
OISTでは、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)クラスターが構築されている。FlashBladeの導入により、コンピューター・研究機器と共有ストレージ間における通信のボトルネックが解消され、研究機器とHPC間のデータを高速に共有するコンピューティング環境が可能となったという。
沖縄県恩納村に位置するOISTは、5年一貫制の博士課程を置く大学院大学。一般的な大学のような学部や学科といった枠組みはなく、1つの研究科・専攻のみを設けた博士課程プログラムを提供している。
OISTのコンピューター環境は、異なる研究室に所属する人やコンピューター、研究機器などがHPCに接続された全学共有のデータストレージにアクセスできるようにすることで、コラボレーションを加速させている。コンピューティング環境では、高性能な計算リソースだけでなく、ストレージの集約やその使いやすさが求められていた。
最近はGPUを活用した機械学習や深層学習の処理が多く、GPUを並列でたくさん使いたいという要望が増加していた。また、複数の研究機器からデータを転送する際に時間がかかるという意見もあったという。OISTでは高性能なストレージの提供に加え、それをHPCからだけでなくユーザーの環境からも高速にアクセスできる環境を提供する必要があった。
OISTは課題の解決に向けて条件に見合う複数のストレージシステムを検討し、2017年からFlashBladeの検証を行い性能を確認してきた。一部の研究グループでは、研究機器と共有ストレージ間の通信がボトルネックになっていたことから、ユーザー側で独自にストレージを導入していたという。FlashBladeを導入したことでそのボトルネックが解消され、研究機器とHPC間におけるデータの送受信のストレスを解消することができたとしている。
FlashBladeの導入イメージ(出典:ピュア・ストレージ)