AWS、2021年初めに大阪リージョン--ローカルから格上げ、可用性向上狙う - (page 2)

阿久津良和

2020-01-21 07:15

 東京リージョンではファイルサーバーやグループウェアといった社内システム、管理会計や融資審査といった銀行周辺系システム、財務会計システムに代表される勘定系システム(総勘定元帳)を稼働させ、大阪リージョンは総勘定元帳のバックアップ先として運用を開始した。さらに同社はAWSを全面採用することを前提に、勘定系システムの更改方式の検討、銀行業務端末においてDaaS「Amazon WorkSpaces」の2020年度前半全面採用を決定した。

 同社はマイクロサービスやコンテナ、サーバーレスなど「クラウド活用を見据えた“クラウドオンリー”」(福嶋氏)のアプローチを想定したシステムの更改を目指している。必然的に開発体制の充実が求められるが、「2013年からIT部門の体制強化を図り、技術と体力を蓄えてきた。富士通などパートナー企業と協力体制を検討」(福嶋氏)しているが、スクラッチ開発は最小限にとどめると説明した。

 クラウド移行に伴う事業インパクトについて福嶋氏は「相対的なコスト削減と、各商品・サービスの提供につながる」と展望を語る。従来のオンプレミス環境ではソニー銀行と開発パートナーの能力に左右されるが、「メガクラウドは英知が集まり、オンプレの限界を取り払える」(福嶋氏)と今後の方向性を打ち出した。

スタートアップの開発者支援を強化

 大阪リージョン開設でユーザーの利用拡大を狙うAWSJだが、AWSを活用する際に必要されるスキルがあることを証明するための「AWS Certification」(AWS認定取得)の数は2017~2019年で3.9倍、ユーザー企業の取得比率も54%となっている。AWSJの長崎氏は「以前からインテグレーターなど(による認定取得数)は多かったが、クラウドの利便性に気付いた顧客がクラウドを理解したいため」と増加傾向の背景を分析した。

 技術およびコンサルティング企業向けプログラムである「AWSパートナーネットワーク(APN)」はレジスタード、セレクト、アドバンスド、プレミアと4段階のランクを設けているが、セレクト以上の企業数は872社に拡大。長崎氏は「数を増やすつもりはない。(顧客の)需要に応じてパートナーとともにスキルセットや事例増を一緒にナビゲートしたい」とパートナー戦略の強化をつまびらかにした。

 その上で2020年の注力分野として、(1)「スタートアップ・デベロッパー支援の強化」、(2)「企業の変革と人材教育のサポート」、(3)「日本全国の顧客支援を強化する継続的投資」――という3領域を掲げた。

 (1)「スタートアップ・デベロッパー支援の強化」では、AWSJは最大10万ドルのAWS利用クレジットをはじめとする支援サービスを行ってきたが、新たに「グローバルビジネス支援プログラム」を開始する。無償コワーキングスペース「AWS Loft Tokyo」の利便性を高めるため、事前申請などを可能にする専用モバイルアプリケーションの提供予定を開始。開発者支援としてウェブマガジンを新たに創刊し、読者へ各種特典を提供するとともに、学生を対象にした配送の課題を解決する技術コンテスト「AWS Robot Delivery Challenge」の開催を予定している。

 (2)「企業の変革と人材教育のサポート」の領域では企業経営層や開発者、学生と「全包囲網で支援する」(長崎氏)各種プログラムを用意。(3)「日本全国の顧客支援を強化する継続的投資」の領域では、2019年に拡張した大阪オフィスをはじめ、名古屋と福岡のオフィスの人員増加や各種業種などに特化した業界専任チームの拡充を図る。

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