東京ガスiネットは、アシストが提供する機能テストツール「Unified Functional Testing」と自動化ツール「Operations Orchestration」を採用し、システム品質の向上と工数の大幅削減に成功した。
同社は東京ガスグループの情報システム会社として、ガスの調達や輸送、製造、供給をITで支える。同社の導管ソリューション部 GISグループは、ガス管の整備管理のために利用する約40種の地理情報システム(Geographic Information System:GIS)を開発、運用している。
同社のGISシステムは、ガス管の工事からガス漏えい検査など、日常的なガス供給、防災保安に大きな影響を及ぼすため、常に正常稼働することが求められる。有事にも利用できるよう毎日早朝に人手で行う稼働確認や、システムの操作方法やノウハウが属人化してしまい緊急時の対応が懸念されていた。そこで、作業の自動化に対する要求が高まり、システム改修時に手作業で行っている品質確認のために必要な数千に及ぶテストについても、テスト時の人員確保やシステムの品質保証に関する課題解決が求められていた。
「Unified Functional Testing」は、アシストからの提案を受け、機能テスト実施時の画面操作や証跡取得、システム稼働確認時の画面操作など、各種作業の自動化を目的に採用された。「Operations Orchestration」は、Unified Functional Testingへの定期的な実行命令や結果判定、メール通知などの運用面の自動化を行うために採用された。
業務自動化の流れ
効果としては、システムのリリース時だけでなく日常的にユーザー目線での動作確認の実施によるシステム品質向上と、年間で約1人月弱の省力化が確認できた。また、半年に1度のテスト工程も全作業を自動化し、テスト実施の漏れを防止することで、1回当たり約10人日の作業工数を削減した。さらに担当者に依存しないテストや稼働確認の仕組みと情報共有によって、属人化が排除され、現場の業務改善が進んだとしている。