富士ゼロックス、“接着できる”トナー開発--のり付けを削減、ホチキスを代替

藤代格 (編集部)

2020-01-30 07:15

 2021年3月31日でXeroxとの技術契約を終了、4月1日付けで「富士フイルム ビジネスイノベーション」へ社名を変更する富士ゼロックス(港区)は1月27日、接着機能を持つ特殊トナーの開発を発表した。

 従来のトナーと同時に複合機、プリンターに搭載可能。圧着はがきや製本、ホチキスの代替えなどへ活用できる業界初のトナーになるという。

 化学反応を精密に制御、トナーの形状を均一にできる独自の「EA製法」技術により、内部に新開発の圧力応答性樹脂を微細、均一に分散。市販の圧力シーラー装置などで圧力を加えると、トナーが“のり”のように働き、用紙同士をムラなく接着できるという。

特殊トナー活用イメージ(出典:富士ゼロックス)
特殊トナー活用イメージ(出典:富士ゼロックス)

 トナーは無色透明で、印字と接着領域へ同時プリントが可能。従来出力後の別工程だった糊付けを削減できるとしている。

 接着箇所はプリント位置の変更で自在に設定可能。用紙の端部にプリント、複数の用紙を接着する冊子、のりしろをプリント、折りたたんでの封筒など、さまざまに展開できるという。

 数年以内の商品化を目指しており、機種によっては大幅に変更せずに機能追加できる可能性もあると説明。活用用途の検証、顧客の声を取り入れつつ、事業化を検討していくという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    セキュリティリーダー向けガイド--なぜ今XDRとSIEMの違いを理解することが重要なのか

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]