NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月28日、授業支援システム「schoolTakt」を提供するコードタクトの株式を取得し、連結子会社としたと発表した。コードタクトの経営は、現在の経営陣が引き続き行うとしている。NTT Comは以前から、自社の教育クラウドサービス「まなびポケット」でschoolTaktをコンテンツの1つとして提供していた。まなびポケットは現在、60以上の教育委員会、400以上の学校、20万人以上の児童生徒や教職員が利用している。小中高に加え、特別支援学校でも利用されているという。
NTT Com 第三営業本部 担当部長/スマートエデュケーション推進室長の宮川龍太郎氏(左)とコードタクト 代表取締役 CEO/プロオーケストラ指揮者/未踏スーパークリエータの後藤正樹氏(右)
schoolTaktは、協働学習や教員の授業を支援する。例えば読書感想文の教材の場合、従来は児童生徒が読書感想文を書いて教員が採点するだけだったが、schoolTaktではクラス全体で共有でき、児童生徒はクラスメイトの提出物に「いいね」やコメントを送ることが可能となる。加えてテキストマイニングにより、教員は児童生徒がよく使っている単語や、特定の単語を使っている児童生徒が一目で分かり、授業の参考にできるとしている(図1)。
図1:児童生徒がよく使っている単語一覧イメージ。文字のサイズが大きいほど、頻繁に使われている
「いいね」やコメントを送れる機能は、児童生徒間のコミュニケーションを促進するだけではない。やりとりを分析することで、教員は児童生徒の人間関係を知ることができる。多くの線が交わっている児童生徒は他のクラスメイトに興味を持って/持たれており、その逆は孤立している可能性があるという(図2)。学級満足度のアンケート結果などと照らし合わせることで、教員は孤立している可能性のある児童生徒を認識できるとしている。
図1:児童生徒がよく使っている単語一覧イメージ。文字のサイズが大きいほど、頻繁に使われている
まなびポケットにコンテンツを提供している企業の中でもコードタクトを子会社化した理由について、NTT Com 第三営業本部 担当部長/スマートエデュケーション推進室長の宮川龍太郎氏は「2014年頃から付き合いがあり、信頼関係を構築してきたのが一番の理由。以前からコンテンツだけでなく、まなびポケットの開発も一部依頼していた。そのため、最も重要なパートナーとして考えていた」と説明した。
コードタクト 代表取締役 最高経営責任者(CEO)を務める後藤正樹氏は「教育現場では今後、アクティブラーニングやインクルーシブ教育が推奨され、教員にとっては学級の運営がますます難しくなる。最近は人工知能(AI)を学習に活用したサービスが多いが、個別学習を対象としたものが大半。一方、われわれは協働学習をAI化していこうと考えている。より教員が教えやすい、児童生徒が学びやすい環境を作っていきたい」と語った。