GoogleのAI ResidentであるLamtharn Hantrakul氏は、「非常に説得力のあるスピーチを生成するという話には、数多くの倫理的な意味合いが含まれている」と述べ、「われわれのモデルがもたらす最悪の出力は、とても下手くそなバイオリン演奏か、とても下手くそなフルート演奏だけだ。もちろん、このプロジェクトはオープンソース化されているため、他のテクノロジーと同様に、チーム外の人々がそういったことを試みるだろうが、われわれはグループとして自らが訓練しているものがそのような領域に進んでいかないようにするという強い倫理的観点に立脚している」と続けた。
インタラクティブな繊維
Googleはまた、AIとの連携で力を発揮するインタラクティブな繊維のデモも実施した。リサーチャーらは、衣服やウェアラブル製品の入出力デバイスとして使用できる、タッチセンサー搭載のひも「I/O Braid」を披露した。I/O Braidの用途としては、パーカーのフードを絞るひもに使用し、ねじることで携帯電話を操作したり、ヘッドフォンのコードに使用し、タップすることで次の楽曲にスキップするといったものが考えられる。
このひもは、タッチされたことを検出する導電性のある繊維で編まれている。デモで使用されたひもは光ファイバーも編み込まれ、視覚的なフィードバックも可能になっており、新たな通知が着信した際などにコード自体を光らせるといったことも可能になっている。
このリサーチは、糸や繊維の編み込みによってさまざまな構造を作り出すという、何世紀も前から実践されている技術に基づいている。
Googleの上級リサーチサイエンティストであるAlex Olwal氏は米ZDNetに対して、「われわれは、この種のジェスチャー認識をシンプルなものにするために、こういった構造をアルゴリズムの一部に取り込んでいる」と述べるとともに、「いくつかの例では、継続的な追跡によって、より発見的なアルゴリズムが用いられている。可能なやり取りの種類を増やすために、より離散的ないくつかのジェスチャーについては、特定のジェスチャーを認識して実行するために、MLによる訓練結果がシステムに取り込まれている」と続けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。