Microsoftは5年ほど前に、数年ごとに新たなバージョンの「Windows」をリリースするのをやめ、「Windows 10」を年に2回アップデートする方針に切り替えた。同社は最近、その5年の間に、ファンからのフィードバックがWindows 10にどう反映されたかを振り返る記事を公開した。
「Windows Insider Program」が導入されたのは、2015年に最初のWindows 10がリリースされるよりも前のことだ。2014年には100万人のWindowsファンがこのプログラムに参加し、2017年には1000万人、2019年6月には1650万人と、参加者は増え続けている。
Windows Insiderの参加者は、数は少ないが、9億台のデバイスで動いているWindows 10のあり方に影響を与える、影響力の強いWindowsファンの集まりだ。
2014年には、ユーザーからのフィードバックは、テレメトリーシステム(コードネーム「Asimov」)経由でほぼリアルタイムで送られていたとされる。この仕組みは、「Xbox」の開発プロセスで使われたツールを利用したものだった。当時、参加者の不満や意見は、「Windows」のフィードバックアプリ経由で送信されていた。この仕組みは「フィードバックHub」と呼ばれていた。
その後Microsoftは、「Windows 10バージョン1809」のリリース後に深刻な問題が起きたのを受けて、件数が少なくても影響が大きいバグの報告が見落とされないように、このツールを修正した。1809での経験は、大規模な機能アップデートを年に2回提供するというアプローチにも大きな変化をもたらした。
そして2019年10月には、Windows Insiderの「Chief #NinjaCat」であるDona Sarkar氏が別の部署に異動した。
このように、この5年間には多くの変化が起こった。Microsoftが1月末に公表した記事は、Windows 10の開発を支援してきた多くのテスターに感謝の意を表し、Windows Insiderのフィードバックがどんな機能に反映されたかを紹介するものだった。
最初に紹介されたのは、絵文字、顔文字、記号の入力方法だった。世界中のテスターが、もっと簡単な入力方法を欲しがった。顔文字とは、「Windows 10バージョン1903」で導入された「/ᐠ。ꞈ。ᐟ\」のような文字列で、「Windows 10 20H1」では、友達と顔文字を共有するオプションが増える予定になっている。
2つ目は「OneDrive」の「ファイルオンデマンド」機能だ。Microsoftはこの機能を初期のWindows Insiderプログラムでテストしたが、Windows 10の最初のバージョンでは取り除かれた。2017年にようやくリリースされた。
この機能を利用すると、ユーザーはファイルをダウンロードせずにクラウド上に置いておけるため、ローカルディスクの消費量を抑えることができる。