神奈川県の「AI OCR」実証事業の結果にみる「業務効率向上のポテンシャル」 - (page 2)

松岡功

2020-02-06 07:00

「RPA+AI OCR」の普及促進にも拍車

 継続性(24時間いつでも処理できるか)については、今回の実証事業で使用したAI OCRはインターネットのクラウド上で原則24時間365日、夜間、休日も継続して処理が可能である。さらに、複数の帳票を並行して処理することもできる。

 継続性に関する課題と対応策としては、AI OCRの使用時間帯は、作業に必要な県のICT環境(仮想ブラウザやファイル交換システム)のメンテナンス時間について考慮する必要がある。

 操作性(ソフトウェアは使いやすいか)については課題と対応策を挙げておくと、メニューなどの項目名やメッセージがわかりづらい、または項目が多い帳票だと読み取り範囲の設定作業に時間を要して煩雑さを感じるという意見があったため、AI OCRを導入する場合には使いやすさやサポート体制も考慮して選定する必要がある。

 神奈川県では今回の実証事業を通じて、AI OCRを導入した場合の効果や課題が明確になったことから、今後、これらを踏まえて本格導入に向けて検討していくとしている。

 以上が、神奈川県が今回の実証事業の結果について公表した概要だが、筆者がこの動きに注目したのは、AI OCRはRPA(ロボティックプロセスオートメーション)と連携させることで業務の効率化にさらなる効果を発揮することから、今回の実証事業の結果がAI OCRだけでなく、「RPA+AI OCR」の普及促進にも拍車をかけることになるだろうと思ったからだ。

 さらに、今回の実証事業を神奈川県が実施したことで、同様の業務を日々行っている他の自治体にも導入に向けて弾みがつくきっかけになるのではないかと推察される。その意味でも今回の神奈川県の取り組みは、非常に有意義なものだったといえよう。

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