日立製作所は2月6日、人工知能(AI)技術を活用した画像認識で製品や部品などの外観検査業務を高度化、省力化する「Hitachi Visual Inspection Application(外観検査アプリケーション)」を発表した。4月1日にリリースする予定で、主に製造業での利用を見込む。
同アプリは、日立独自の画像処理技術やディープラーニング技術、顧客との協業で蓄積したノウハウをもとに、生産ラインでの撮像設定、画像データの前処理、画像データの再学習、AIによる解析結果を表示するユーザーインターフェースといった外観検査に必要となる基本機能を搭載する。
特徴は、異常判定のための画像データが少ない場合や、未知の事象による不良の発生でも判定できるほか、継続的なデータ学習によってAI判定モデルの精度を高めていける。また、検査対象に応じたデータの前処理やAI判定モデルの切り替え、多言語対応など、導入環境に応じたカスタマイズも可能という。
また同社は、AI判定モデルで検査を行う「Hitachi Visual Inspection Software Package(外観検査ソフトウェアパッケージ)」と、顧客企業の業務に応じた高精度なAI判定モデルの生成、業務適用時の検査精度を事前検証する「Hitachi AI Technology/ディープラーニング目視検査代替サービス」も提供する。
構成イメージ(出典:日立製作所)
外観検査ソフトウェアパッケージは、外観検査アプリと連動して、検査対象物に最適化したAI判定モデルで画像解析を行う。Hitachi AI Technology/ディープラーニング目視検査代替サービスでは、判定モデルの作成が困難だった特殊品でも精度の高い判定モデルを作成できる点が特徴だとしている。
各製品やサービスの価格(製造1ラインに対する参考価格)は、外観検査アプリと外観検査ソフトウェアパッケージがそれぞれ年間400万円から、Hitachi AI Technology/ディープラーニング目視検査代替サービスは個別見積りとなる。