本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NECが提供する小売店舗向けクラウドサービス「セルフスキャンショッピング」を取り上げる。
従業員の業務効率化とレジ待ち時間短縮を実現
NECは先頃、小売店舗向けに、スマートフォンを用いて購入したい商品のバーコードをスキャンすることにより、従業員の業務効率化とレジ待ち時間短縮を実現するレジレスソリューション「セルフスキャンショッピング」を4月から販売開始すると発表した。
セルフスキャンショッピングは、来店客向けの専用アプリと、基幹システムや顧客システムなどの既存システムと連携するAPIにより、レジ業務において時間のかかる商品スキャンや決済を来店客が自身のスマートフォンを用いてセルフで行えるようにするクラウドサービスである。
具体的には、来店客が事前に専用アプリをインストールし、棚から購入したい商品を手に取りかごに入れる際に、スマートフォンの内蔵カメラで商品バーコードをスキャンしながら買い物を行う。決済は、現金とクレジットカードに対応しており、アプリから支払い用のバーコードを表示し、レジにかざすことで決済することができる。価格は、店舗ライセンスが100万円から。別途、企業ライセンスも用意される。(図1)
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NECによると、昨今、小売業では、労働力不足による従業員の業務負荷増大や、消費者の生活シーンによって変化する購買ニーズに対応するため、デジタル技術を活用した従業員の業務効率化や、消費者にとって快適で心地よい買い物体験の実現に向けた取り組みが求められているという。
今回の新サービスにおいて、NECはさらに7月を目途に、スマートフォン内でのクレジットカードや電子マネーでの決済機能、また、セキュリティ対策機能や利用者の利便性向上に向けたAI(人工知能)やAR(拡張現実)を活用した各種機能などを順次追加し、一層の従業員の業務効率化および快適な顧客体験の実現を目指していく構えだ。