Dell Technologiesグループのセキュアワークスは、セキュリティサービスに特化した事業を展開する。2019年5月に日本法人の代表取締役社長に就任した廣川裕司氏は、「セキュリティ製品を“使う”ことが重視される意識が日本企業の間で高まってきた」と、情勢の変化をこう話す。
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同社は、1999年の創業時から提供するセキュリティ監視センター(SOC)によるマネージドセキュリティサービス(MSS)を中心に、近年はサイバー演習の「レッドチームテスト」、サイバー攻撃者の動向を追跡する「スレットハンティング」やセキュリティ脅威を分析する「スレットインテリジェンス」、チケット型のインシデント対応支援サービスなどを展開する。2011年にDellグループ入りして以降は、グループ各社と連携したサービスも広げつつある。
廣川氏は長年、国内外のIT企業で事業の拡大や新規事業の立ち上げを手掛け、近年はRed Hatでオープンソース、旧Hortonworksではビッグデータの国内での普及を推進してきた。そのためセキュリティ業界への参画は周囲に驚きを与えたという。
同氏によれば、セキュアワークス入りはRed Hat時代の“上司”だったJim Whitehurst氏がDellの取締役を務めていた縁だというが、「オープンソースやビッグデータ、クラウドやIoTを利用した新しいITシステムが広がる中で、セキュリティが取り残されている現実を知り、私の経験がセキュリティの向上に貢献できればと考えている」と話す。
2019年5月の社長就任の記者会見で廣川氏は、同社のセキュリティサービスを日本市場へより根ざしたものに発展させていくと表明した。これまで顧客企業の業界別、地域別の営業・サポート体制に再編するとともに、パートナーの拡充も進める。人員も毎年15%ペースで拡大させていくことで、「パートナーとこれまで以上に歩調を合わせて、エンドユーザーのビジネスに即したセキュリティサービスを提供する」(廣川氏)ことを目指す。
業績目標では、就任から毎年30%ペースの成長を続けることで「3年で2倍、5年で5倍」を掲げる。「現状ではこのペースを達成できており、今後も維持したい」(同氏)という。