「会社の成長には必要」56%--なのに、テレワークの部下はなぜ不安なのか - (page 3)

James Smith (Wrike Japan カントリーマネージャー)

2020-02-14 06:45

「テレワークを利用すると正当に評価されない」は本当か

 部下の立場になった場合について考えてみたいと思います。会社にテレワーク制度が導入されていても、利用が進まないのはなぜでしょう? パーソルプロセス&テクノロジーの社内ベンチャーであるワークスイッチコンサルティングが2019年に調査した内容を見たところ、テレワークをする上で会社に求めることの1位が「利用しやすい雰囲気」で、テレワーク制度の導入だけでなくテレワークを実施しやすい雰囲気の形成を希望する人が最も多かったのです。

 周りの目を気にして利用しにくい、という意見があるということを聞いてはいましたが、実際に数字で見ると考えさせられるものがあります。

 しかし、想像してみてください。Wrikeの調査では半数強のマネージャーがテレワークに対してポジティブという結果が出ています。当たり前ですが、2人に1人以上のマネージャーが部下のテレワークに対して好意的であるということです。

 たとえ自分の直属の上司が好意的でなくても、直属の上司の隣に座っている別のマネージャーは好意的であり(数字上では)、テレワークに対してネガティブな感情を抱いている方が少数派なのです。そう思えば、「他人の/上司の目を気にして利用しにくい」という心理的負担は少し軽くなるのではないでしょうか。

 また、テレワークを利用すると正当に評価されないかもしれないという懸念に関してですが、これも、先ほどのWrikeが行った調査で、テレワークを導入している企業のマネージャーの9割が「公平に評価できる」と回答しており、実際にその場で仕事に取り組んでいる姿を見ていなくても、上司は部下の成果物を見てきちんと評価しているのです。

 他にも、テレワークだと目の前にいないので、実際にどれだけの業務を負担しているかをわかってもらえないから仕事が増えてしまうという懸念点もあると聞きます。ここも、先ほど少し触れましたが、上司側も「部下の業務量が把握できなくなる可能性がある」という不安を抱いており、決して部下の業務負担に対して無関心なわけではなく、むしろ積極的に把握したいと思っています。

 これは最新のITツールで自動的に解決できることではありますが、お互いの不安を解消するために最も簡単な方法は、どれだけの業務を負担しているのかを共有するためにコミュニケーションを取ることです。コミュニケーションも、話しかけにくい上司だと取りにくいのは当然ですので、ここでも上司と部下の間での信頼関係が重要になってきます。

「痛勤」が減ることで仕事のクオリティが上がる

 筆者が日本に来て一番つらいと感じるのは、やはり公共交通機関での通勤です。日本の公共交通機関は首都圏を余すことなく網羅しており、日本全国端から端までつながっている、素晴らしく便利な移動手段です。

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