首都圏は数分間隔で電車が遅れることなく到着するのが普通で、車内も清潔で危険なことが起きることもありません。ですが、朝と夕方の通勤ラッシュアワーの混雑は尋常ではありません。
アメリカにももちろんラッシュアワーはありますし、渋滞で全く進まずなかなかオフィスにたどり着けないということがあり、それをストレスとして感じることもあります。
ですが、少なくともパーソナルスペースは確保できており、日本のラッシュアワーのように他人が密着した上に自分の体を四方八方からプレスされて全く身動きが取れない、という状態が平均30分(ソニーマーケティング調査)、往復にすると1日1時間もある、という状態ではありません。
日本のラッシュアワーを体験して楽しむという訪日外国人もいますが、テーマパークのアトラクションと同じで「非日常」だから楽しめるのであって、それが「日常」であれば、こんなにつらいことはありません。このストレスは想像しただけでも相当なものであるということがわかると思います。
テレワークは毎日行わなくても、週に1日だけでも利用できるものです。週に1日だけでも、そのストレスから解消される日があるだけで、どれだけ負担が軽くなるでしょうか。
Wrikeが2019年初旬に行った別の調査(PDF)では「ストレスが原因で生産性が上がらない、仕事のクオリティが落ちる」と回答した日本人が45.2%もいました。ここから、ストレスが減ることで、生産性や仕事のクオリティが上がる、と考えられるとは思いませんか?
いずれにせよ、これからのビジネスにおけるメインの働き手となるミレニアル世代は、企業に柔軟な働き方を求めており、その世代の優秀な人材を確保するために企業は彼らの望む働き方を取り入れざるを得ません。また、ミレニアル世代がビジネスの中心人物となる10年先の世の中では、テレワークを含む柔軟な働き方が当たり前になっています。
そうなるのがわかっている中、旧態依然とした働き方やテレワークを利用しにくい雰囲気を醸すような企業風土を保ち続ける意味はあるのでしょうか。筆者は意味がないと思います。
- James Smith
- Wrike Japan カントリーマネージャー
- 米国カリフォルニア州出身。不動産業界を経て2014年Wrikeに入社。ヨーロッパ拠点を立ち上げたメンバーの1人であり、2019年からWrike Japanのカントリーマネージャーに就任。プロジェクト管理、ワークマネジメントといったSaaS、リモートワークや組織の生産性を向上させるための働き方に関して造詣が深い