モバイル投票アプリ「Voatz」の脆弱性を研究者らが指摘、開発元は猛反論

Laura Hautala (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2020-02-14 11:42

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューターサイエンス研究者らが米国時間2月13日に公表した論文によると、モバイル投票アプリ「Voatz」に重大な脆弱性があるという。Voatzの設計上の脆弱性により、高度なスキルを持つハッカーなら、投票者のIDやIPアドレスを把握し、票にアクセスしたり、場合によっては票を変更したりできるという。

VOTE(投票)の文字
提供:Getty Images

 この研究について13日にいち早く報じたThe New York Timesによると、主に軍人や米国外にいる有権者に利用されているVoatzは、市場にある唯一の投票アプリだ。MITの論文で指摘された脆弱性は、投票者のスマートフォンにインストールされるアプリに存在した。

 「国家の支援を受けたハッカーであれば、十分に脆弱性を突ける」とMichael A. Specter氏、James Koppel氏、Daniel Weitzner氏ら研究者は、論文で述べた。Voatzはこの研究結果に異議を唱えた。

 Voatzは非常に長い回答の中で、研究者の情報は不完全だと述べた。研究者は投票に使われたことのない旧バージョンのアプリを利用しており、投票プロセスへの不正侵入を防ぐバックエンドの保護を確認できなかったという。公開されているバグ報奨金プログラムを通じて最新版を検証していれば、今回のような論文を作成することはなかったはずだと指摘した。

 「要するに、証拠もバックエンドサーバーへの接続もないまま同サーバーについて主張したところで、その研究者らの信頼性は全くない」とVoatzは述べた。同社は、選挙のセキュリティに対する疑念や不安をかき立てようとしているとして、研究者を批判した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]