「Galaxy Z Flip」入門--サムスンの最新折りたたみ式スマートフォン - (page 2)

Galaxy Foldとどう違うのか

　Galaxy Z FlipとGalaxy Foldの最も大きな違いは、（Galaxy Z Flipのエンジニアリングが新しい世代になっている点を除けば）形状だ。Galaxy Foldを開くと、ほぼ正方形の7.3インチのメインディスプレイが現れる。昔ながらのクラムシェル型であるGalaxy Z Flipの場合は、ほぼ正方形の本体を開くと、細長い四角形になる。

　ハードウェアのスペックに関しては、まだGalaxy Foldの方が優れている。Galaxy Z Flipよりも大容量のRAMを搭載し、ストレージも大きく、容量が多い。サムスンは、成功するかどうか分からない新しいフォームファクターに投資したくなかったのだろうか。それとも、旧バージョンのスペックが過剰だったので、ハードウェアの性能を落としただけなのだろうか。

　Motorolaが新しい折りたたみ式タッチスクリーンのRazrをリリースし、Z Flipが実質的にその直接の競合製品となっている現状を考えると、折りたたみ式スマートフォンの標準型が決まろうとしているのかもしれない。あるいは、折りたたみ式スマートフォン市場はどのような形状が最適なのかをまだ模索している最中という可能性もある。

サムスンのGalaxy Z Flip。
提供：Screenshot by Lisa Hornung/TechRepublic

ビジネスユーザーや開発者が検討すべき理由はあるか

　ビジネスユーザーがGalaxy Z Flipの購入を検討するべきかというと、おそらくその必要はないだろう。2019年のGalaxy Foldから改良されてはいるが、まだ折りたたみ式スマートフォンの問題が解決したわけではなく、ビジネスで利用すべき明確な理由はない。テクノロジーの最新の流行に乗っているとアピールすることはできるが。

　一方、開発者の場合は、Galaxy Z Flipを手に入れたいと思うかもしれない。このサムスン製デバイスが成功を収めれば、折りたたみ式スクリーンモードに対応するアプリの需要が高まる可能性があり、アプリ作成者たちは、独特なアスペクト比の新しいデバイス向けに、慌ててUIを調整することになるかもしれない。

サムスンのマーケティングディレクターRebecca Hirst氏がハンズフリーで撮影したセルフィー。
提供：Screenshot by Lisa Hornung/TechRepublic

Motorola Razrとどう違うのか

　その形状だけを取ってみても、Galaxy Z FlipはMotorola Razrを直接の競合製品とみなしていることが分かる。

　どちらのデバイスも、昔のクラムシェル型のデザインを現代のスマートフォン市場に復活させたが、全面タッチスクリーンを採用しており、どちらもモバイルテクノロジー界の大手企業が開発したものだ。

　Motorolaは、少なくとも懐かしさを感じさせるという点では優位に立っているだろう。新しいRazrデバイスのデザインは、フリップ型携帯電話時代の古いMotorola Razrとよく似ている。

　価格面ではGalaxy Z Flipに分があり、Razrの1499ドルに対し、Z Flipは1380ドルだ。スペックはGalaxy Z Flipが優れていて、バッテリー、RAM、ストレージの容量がRazrより大きい。

　RazrとZ Flipが実際にしのぎを削ることになるかどうかは、折りたたみ式スマートフォン市場全体の今後の成り行きを明確に予言するものとなるだろう。どちらの機種も最低限の販売台数にさえ達しないとなれば、世間はまだこの新しいタイプのデバイスを物珍しい仕掛けとしか見ていない、ということが分かる。

いつから入手できるのか

　Galaxy Z Flipは米国時間2020年2月14日に一部の国において1380ドルで発売された。