ヴィーム・ソフトウェアは2月19日、バックアップ/リカバリーソフトウェア群の最新版「Veeam Availability Suite v10」の一般提供を開始した。最新版はNASへのバックアップや複数の仮想マシン(VM)のインスタンスリカバリーの機能を強化するとともに「Amazon Simple Storage Service(S3)」オブジェクトロック機能を用いたランサムウェアの排除など150以上の機能を拡張している。
執行役員社長 古舘正清氏は「アプライアンス型を提案するバックアップベンダーもいるが、弊社は真逆。100%ソフトウェアでソリューションを提案し、ライセンスの移動も可能にして、どのクラウドでも継続して利用できる。クラウド時代にフィットした」とアピールした。
ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長 古舘正清氏
ヴィーム・ソフトウェア システムズエンジニア本部長 吉田慎次氏
Availability Suiteはバックアップ/リカバリソフトウェア「Veeam Backup & Replication」と管理ツール「Veeam ONE」で構成。2016年1月の前版から数えて約4年ぶりに刷新したAvailability Suite v10は、前述した3つの特徴にとどまらず、大小合わせて150以上の新機能を供える。
新機能について、(1)バックアップ&復元、(2)監視と分析、(3)オーケストレーションと自動化、(4)ガバナンスとコンプライアンス、(5)クラウドモビリティ――という5つの観点から機能が説明された。
(1)のバックアップ&復元では、対象範囲を「SAP HANA」や「Oracle Database」のバックアップ機能をバックアップストリームの並列処理による強化、エージェントレスで「MySQL」や「PostgreSQL」などLinuxで稼働するデータベースまで拡大させている。
データのコピーを少なくとも3つは作成し、コピーを2つの異なるメディアに格納、1つのバックアップコピーをオフサイトで保管する「3-2-1」がバックアップルールの理想型とされているが、ヴィームでは「オフサイトの冗長性を自動化することで、データ消失のギャップを軽減し、迅速にルールへ対応」(同社システムズエンジニア本部長 吉田慎次氏)可能だと説明する。