「お客さまからはリアルタイムでデータ分析に利用できるのが魅力という声をいただいた。AIエンジンやSIer(システムインテグレーター)の自社エンジンとの連携話が進んでいる」(古舘氏)とアピール。さらに「バックアップは『保険』といわれるが、新しいバックアップデータの活用」(吉田氏)することで、データレイクとバックアップデータの垣根が低くなる点は興味深い。
(4)のガバナンスとコンプライアンスでは、復元前にバックアップデータのマルウェアをチェックする機能「Veeam Secure Restore」が追加された。欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)や米の「カリフォルニア州消費者プライバシー法」(CCPA)への抵触を未然に防ぐため、復元データをスクリプトと連携して精査する機能「Veeam Staged Restore」も含まれる。
(5)のクラウドモビリティに関連して、古舘氏は「非IT部門がクラウドを中心にインフラを考える時代。クラウド時代においてデータは1カ所にとどまらず、複数のクラウドに分散させる顧客も少なくない」とユーザー環境を見据えた上で、クラウドロックインやベンダーロックインを全否定した。
その観点から長期間のデータ保持が必要な際に使用するCloud Tierでは、保存先としてAmazon S3を選択した際はオブジェクトロック機能を用いて不変性を担保する。2019年10月に発表したVeeamユニバーサルライセンス(VUL)についても、「1種類のライセンスで物理からクラウドまですべてのワークロードに対応」(吉田氏)
バックアップ対象となるマシン単位でVULが必要となり、最小購入単位は10ライセンス。VUL配置状況は標準搭載のVeeam Backup Enterprise Managerのコンソールから確認できる。
Availability Suite v10の主な新機能