松岡功の一言もの申す

DXはモダナイゼーションから始めよ

松岡功

2020-02-20 10:16

 企業にとってデジタルトランスフォーメーション(DX)は、今やビジネスの競争力強化に向けた最重要課題となっている。だが、果たしてどう進めればよいのか。そんな疑問に、富士通マーケティングの広瀬敏男社長が答えた。キーワードは「モダナイゼーション」である。

富士通マーケティング広瀬社長が説く「DXとモダナイゼーション」

講演を行う富士通マーケティング代表取締役社長の広瀬敏男氏
講演を行う富士通マーケティング代表取締役社長の広瀬敏男氏

 富士通マーケティングが先頃、顧客企業を招待した年次イベント「富士通マーティングフォーラム2020」を都内で開催した。そのイベントの経営層向けフォーラムにおいて、広瀬氏はユーザー企業におけるDXの取り組みをテーマに講演を行った。その内容が非常に分かりやすかったので、本稿で取り上げておきたい(写真1)。

 まず、図1が国内IT市場の動向を示したものである、IDC Japanの調査データを基にしたグラフで、ポイントは今後、従来型ITが減少していく一方、DXやモダナイゼーションの領域が増加し、市場全体として堅調な伸びを示していくことだ。

国内IT市場の動向
国内IT市場の動向

 では、改めてDXおよびモダナイゼーションとは何か。広瀬氏はDXについて、「データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること」と説明。その例として、BI(ビジネスインテリジェンス)、AI(人工知能)・機械学習、データを収集・分析するためのIoT(Internet of Things)などを挙げた。

 また、モダナイゼーションについては、「従来のソフトウェアやハードウェアなど、稼働中の資産を生かしながら最新の技術や製品で置き換えること」と説明。その例として、ハイブリッドクラウドの統合運用管理やセキュリティの強化を挙げた。

 その上で同氏は、「データとデジタル技術を活用するDXを実現するためには、モダナイゼーションを推進して、さまざまなデータを収集し分析するための環境を整える必要がある」と強調した。

 図2は、ユーザー企業のIT投資動向を示したものである。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査データを基にしたグラフで、IT投資で解決したい中期的な経営課題のトップ10を挙げている。ポイントは、そのほとんどがDXおよびモダナイゼーションの領域に関わる内容であることだ。

企業のIT投資動向
企業のIT投資動向

 同氏は、特に大差で1位の「業務プロセスの効率化」について、「モダナイゼーションからDXへと進めていく上で避けては通れない課題」と念を押した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]