セゾン情報システムズ 流通ITサービス事業部長兼リンケージサービス部長 花香(はなか・まさる)勝氏
リンケージサービスを体系的に見ると、Tableauなどを用いて顧客の経営データを可視化する「モダンマネジメントサービス」と、ConcurやBlackLineで財務経理部門のデジタル化を実現する「モダンファイナンスサービス」に大別できる。
フェーズ1では自社の導入や運用のノウハウをもとに債権債務の勘定科目の残高を消す「マッチング」、合計残高試算表に記載された各勘定科目の残高を確認する「勘定照合」、決算タスクを可視化する「タスク管理」を実装した。フェーズ2となる2020年中は「会社間取引管理」「仕訳入力」「差異分析」の実装、2021年はBlackLineに加わる新機能の導入も検討も視野に含める。
セゾン情報システムズ社内で稼働中のデータ連携構造。BlackLineは決算業務に用いられる
セゾン情報システムズ 財務経理室長 鷲尾武氏
前述の通り、セゾン情報システムズは自社の経理部門でもBlackLineを採用しているが、その導入効果は約10人の部門社員中、5~6割が決算業務に取りかかり、その半分程度が業務から開放されることを踏まえて、約30%の負担削減を実現したという。
あらゆる場面で労働者人口不足が問題視されているが、財務経理部門も例外ではない。
セゾン情報システムズ 財務経理室長 鷲尾武氏は「IFRS(国際会計基準)の変更やSAP2025年保守問題、グローバル展開に伴う子会社統制や他国通貨対応、為替リスクなど対応すべきことは年々増加」しているという。