UiPathは2月27日、RPA(ロボテックプロセスオートメーション)製品群の新製品を発表した。プロセスマイニングツール「ProcessGold」、コラボレーションツール「Explorer EXPERT」、データ分析ツール「Insights」などが新たに加わる。
取締役 Chief Revenue Officer(CRO)の鈴木正敏氏は会見で、2019年の国内実績を明らかにし、同社製品の採用者数が前年の750社から1500社に倍増したことをアピール。同社認定資格の取得者数も前年の6239人から1万3929人に増加した。「顧客の導入が進み、それを支える技術者も増加している」と強調した。
製品のロードマップでは、2017年にエンタープライズ規模の運用への基盤強化を図り、2018年には開発・管理・実行をよりスムーズにするために機能強化を行った。2019年は、人工知能(AI)技術と組み合わせてより複雑な業務プロセスの自動化に対応し、活用領域を拡大した。
2020年は、ソフトウェアロボットを開発・管理・実行する従来の領域に加えて、RPA化の対象業務を抽出する「計画」、RPAの活用度合いを予測・可視化する「測定」の領域にもプラットフォームのカバー範囲を拡大させる。
RPAの計画・測定を定量的な事実に基づいて行うための新製品として「Explorer Enterprise」「Explorer Expert」「ProcessGold」「Connect Enterprise」「Insights」の5つが追加された。会見では、ProcessGold、Explorer Expert、Insightsについて詳細が明らかにされた。

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RPA化候補の業務を選定するには、これまで業務ユーザーにヒアリングするなどして業務フローを作成していたが、「手作業が多く時間を必要とする」「業務処理の可視化にコストがかかる」「RPA化する業務の選定に根拠となるデータがない」といった課題があった。また、「大半の業務は想定しているよりも複雑な処理であることが多い」とソリューション本部 エバンジェリストの夏目健氏は話す。
ProcessGoldは、データを使って定量的に業務プロセスを可視化するプロセスマイニングツールで、SAPやSalesforceなどのシステムログを収集・分析することにより、業務プロセス全体のどの部分を自動化すると大きな効果が得られるかを評価可能にする。ProcessGoldで業務の実態を明確にすることで、業務フローのボトルネックを見つけ出したり、RPA候補業務のROI(投資対効果)を算出したりできるようになるという。
Explorer Expertは、「業務担当者とRPA開発者の橋渡しをするツール」(夏目氏)になる。Explorer Expertのレコード機能を使うことで、業務担当者は通常の作業を行うだけで業務手順書とUipathワークフローが自動で作成される仕組みで、画面キャプチャの作成といった作業工数を削減することができる。開発者は自動生成された業務手順書とワークフローを参照することで、現場業務の把握が容易になる。
Insightsは、レポーティング/ダッシュボードツールであり、管理ツール「Orchestrator」と連携した製品として提供される。UiPathの稼働に関するデータを記録し、そのトレンドを視覚化する。ロボットの稼働状況や生産性、エラーなどの情報を一元化し、KPI(重要業績評価指標)の達成度合いや削減されるべき時間の把握など、成果の測定が容易になる。
鈴木氏は「RPAは、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できる、デジタル時代のテクノロジーである」とし、今後は計画・開発・管理・実行・協働・測定の6つのフェーズに沿って“ハイパーオートメーション”を展開していくとした。